私たちは、磁界あるいはワイヤコードと小児白血病を扱った15件の研究から個々のオリジナル人データを入手した。そして、十分なデータの揃った被験者について、磁界ばく露を見積もった。磁界の計測値による12件の研究から、要約見積もりを行ったところ、磁界と白血病の関連性は殆ど無いか皆無であった。その際、0.1-0.2 および 0.2-0.3 マイクロテスラ(μT)カテゴリーを0-0.1μTカテゴリーと比べた。しかし、マンテル-ヘンツェル要約オッズ比は、>0.3μTを0-0.1μTに比べた値で1.7(95%信頼区間=1.2, 2.3)であった。同様の結果が予後因子偏りの調整およびスプライン回帰を使っても得られた。数多くの方法論的違いが研究間にあるものの、研究に特化した関連性は調和しているように見えた。ワイヤコードと白血病の関連は、研究によって大きく異なっており、非常に高い電流配置対低い電流配置の構成に対する推定オッズ比は、0.7 から3.0である(均質性 P=0.005)。家屋の磁界調査に基づくと、居住ばく露に関連付けられる小児白血病の、予測されるアメリカ人口寄与割合は3%である(95%信頼限度=-2%, 8%)。私たちの結果は、磁界と白血病の関連は、ワイヤコードと白血病の関連よりも一貫性が無いという考えとは反する。しかしながら、双方の尺度を含む4つの研究の分析が指し示すところは、ワイヤコードと白血病の関連は、磁界の計測値によって説明されていないということである。また、結果は感知できるほどの磁界の効果あることを示している、もしあれば、それは、相対的に高く、通常では見られないばく露に集中しているかもしれないこと、磁界と小児白血病の関連性を明らかにするには、高ばく露されている住民の研究が必要となるであろうことを示唆している。
50/60Hz磁界と小児白血病との関連を調査した。この目的のため、イングランド(Coghill et al.)ニュージーランド(Dockerty et al.)、メキシコ(Fajardo-Gutierrez et al., report published in Spanish)、スウェーデン(Feychting et al.)、米国のロードアイランド州(Fulton et al.)、カナダのオンタリオ州(Green et al.)、米国東部(Linet et al.)、米国のロサンゼルス(London et al.)、カナダ(McBride)、ドイツ(Michaelis et al.)、デンマーク(Olsen et al.)、米国のデンバー(Savitz et al.)、スウェーデン(Tomenius)、ノルウェー(Tynes et al.)、フィンランド(Verkasalo et al.)、及び米国のデンバー(Wertheimer et al.)で実施された15の研究からの一次データをプール分析を実施した。
15の研究の著者らは、自分たちの研究における個々の被験者の匿名の記録を提供した。磁界ばく露の標的尺度は、診断の3か月前までの子どものばく露と定義された。このため、各々の子どもについて、磁界ばく露推定値が再計算された。北米の全ての研究で用いられたワイヤ・コードは個別に分析した。四つの研究では磁界とワイヤ・コードを記録した。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | 磁界カテゴリー:≤ 0.1 µT |
集団 2 | 磁界カテゴリー:> 0.1 - ≤ 0.2 µT |
集団 3 | 磁界カテゴリー:> 0.2 - ≤ 0.3 µT |
集団 4 | 磁界カテゴリー:> 0.3 µT |
参照集団 5 | 低電流コードLCC(一般に低い電流、非常に低い電流及び地下を含む) |
集団 6 | 一般に高い電流高度(OHCC) |
集団 7 | 非常に高い電流コード(VHCC) |
タイプ | 値 |
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参加者 | 13,159 |
磁界推定値は、0.3µT未満の界と小児白血病との関連をほとんどあるいは全く示さない傾向であったが、0.3µTを超えるカテゴリーにおける症例と対照を有する全ての研究は、正の関連を示した。ワイヤ・コードと小児白血病との関連は研究間で相当異なっており(オッズ比は0.7から3.0)、説明できない大きな非一様性のため、サマリ推定値は無視した。このプール分析の結果は、磁界のかなりの影響が仮にあるとすれば、比較的高く、一般的でないばく露に集中するかも知れないことを示唆している。
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