ローマ市の、その一部が60kV送電線の下になっている一区域に住む市民の疾病状況を調査した。対象者は、1954年から2003年の任意の期間に当該地区に住んだことのある345人で、1998年より前に死亡した者は除く。住居の磁界レベルは、負荷電流量、送電線の特徴、送電線から住居までの距離に基づいて見積もられ、研究対象地区は、異なる磁界レベルを基準に、いくつかの小区域に分割された。規格に沿った疾病率が、病院の1998-2003年の退院記録から計算された。非統計的だが顕著な増加が、すべての、そして主要ながんについて観測され、>30年の居住および潜伏をした対象者間では主要ながんが顕著に増加していた。すべての、主要な、また、二次的ながんについての顕著な増加と、虚血性疾患の2倍の増加が、最も高いばく露を受けている小区域において観測された。腫瘍性血液病については増加は見出されなかった。
グループ | 説明 |
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集団 1 | 電力線から40mでの居住期間:0-9年 |
集団 2 | 電力線から40mでの居住期間:10-19年 |
集団 3 | 電力線から40mでの居住期間:20-29年 |
集団 4 | 電力線から40mでの居住期間:30-39年 |
集団 5 | 電力線から40mでの居住期間: ≥ 40年 |
集団 6 | サブエリアR:電力線までの距離が> 33 m、磁束密度の時間加重平均が< 0.17 µT |
集団 7 | サブエリアA:電力線までの距離が&lt; 28 m、磁束密度の時間加重平均が 0.19 から 3 µT |
集団 8 | サブエリアB:電力線までの距離が部分的に&lt; 28 または < 33 m、サブエリアR及びAに存在するかも知れない時間加重平均値 |
タイプ | 値 |
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合計 | 357 |
参加者 | 345 |
6年の観察期間中に、選択された原因について、83人の初診の退院が記録された。このコホートには、全てのがん及び原発性がんについて、統計的に有意ではない増加が認められた。電力線の近くに30年超住んでいた被験者には、原発性がんについての統計的に有意な増加が認められた。ばく露が最も高いサブエリアAの住民には、全ての悪性新生物(n=16)、原発性がん及び二次がん、ならびに虚血性疾患(n=8)について、有意な増加が認められた。
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