この研究は、小児がんの発生と出生時の小児住所の架空電力線接近度および住所での磁界計算値との関連を調べた症例対照研究である。症例は、1970年から1979年の間にヨークシャー医療地域において診断された374人の症例、マッチされた588人の対照が調査に含まれた。架空電力線の負荷電流に起因する出生住所での磁界強度は、電力線網マップおよび負荷記録に基づいて計算された。その結果、小児悪性腫瘍の発生と架空線接近度または磁界計算値との間に関連はないことが示された、と報告している。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | 子どもの出生時の住居から電力線までの距離: ≥ 100 m |
集団 2 | 子どもの出生時の住居から電力線までの距離: < 100 m |
集団 3 | 子どもの出生時の住居から電力線までの距離: ≥ 75 - < 100 m (グループ2のサブグループ) |
集団 4 | 子どもの出生時の住居から電力線までの距離: ≥ 50 - < 75 m |
集団 5 | 子どもの出生時の住居から電力線までの距離: ≥ 25 - < 50 m |
集団 6 | 子どもの出生時の住居から電力線までの距離: < 25 m |
参照集団 7 | 磁界強度: ≤ 0.01 µT |
集団 8 | 磁界強度: > 0.01 µT |
集団 9 | 磁界強度: ≥ 0.01 - < 0.1 µT (グループ2のサブグループ) |
集団 10 | 磁界強度: ≥ 0.1µT |
集団 11 | 磁界強度: ≥ 0.01 - < 0.03 µT |
集団 12 | 磁界強度: ≥ 0.03 µT |
症例 | 対照 | |
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適格者 | 419 | 656 |
評価可能 | 374 | 588 |
電力線から100m未満の距離に住んでいた症例及び対照は僅か10%であった。症例374人のうち16人、対照588人のうち21人が、0.01µTを超える磁界にばく露されていた。
電力線の近くでは、どちらのばく露評価方法でも、小児がんについての統計的に有意に高いリスクは認められなかった。著者らは、この結果は小児がんの発生と、架空電力線への近接度、または磁界強度との関連を示していないと結論付けている。
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