(2016年3月時点の英文ウェブページの和訳です)
電磁界の健康影響可能性の評価と判定は、時間を要する複雑な手順であり、専門家委員会だけが行えるものです。この手順において、特定の周波数範囲、特定の影響評価項目ごとにそれに関するあらゆる研究タイプ(イン・ビトロ実験、動物実験、疫学研究)の全ての公表論文が収集され、その明白な研究品質(ドシメトリ、研究デザイン、標本サイズ、統計学など)、結果の再現性、他の研究との比較可能性の観点から評価されます。
それぞれの研究タイプには特有の強みと弱みがあり、それらを当然考慮します。疫学研究およびヒトでの実験研究の強みは、人体との直接的な結びつきです。一方、弱みは、少ない標本サイズ、それからよくあることですが、後向きデータ獲得の不十分さおよび統計的有意性の欠如です。さらに言えば、電磁界ばく露によるある疾患の因果性を疫学研究によって証明することは非常に困難です。したがって、観察された影響の確認、作用メカニズムの解明、仮説の検証のため、イン・ビトロおよび動物での実験を実施する必要があります。イン・ビトロおよび動物での実験研究は疫学研究に比べ、信頼性の高い結果をもたらします。そうなる可能性は、大きな標本サイズでの標準化された実験技術によるもので、特に微弱な影響、したがって確認が困難になり易い影響に関して言えることです。しかし、その弱みは、実験結果をヒトへ移転する問題です。そのため、全ての研究タイプの結果およびそれらの比較が、一貫性のある影響を判定するための基盤になります。それぞれの研究タイプ(例:疫学研究、イン・ビトロおよび動物での実験研究)の結果が、同一の影響についてほぼ一貫した証拠を示している場合のみ、因果性ありとの結論を導くことができます。さらに心に留めていただきたいことを付け加えますと、ある生物学的影響が必ずしもある健康悪影響を意味するわけではありません。
EMFポータルでは、電磁界分野のリスク評価、リスク認知およびリスクコミュニケーションに関する出版物は、文献の明確な特徴にしたがって分類されています。
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