この研究は、「高圧電力線が発生する電磁界へのばく露が0-14歳の小児におけるがんの発生率を増加させる」という仮説を検証するために、集団ベース症例対照研究を行った。調査集団は、1960年、1970年、1980年、1985年、1987年、または1989年の少なくとも1年間、高圧電力線が横断する国勢調査地区に住んでいた小児で構成された。症例は1965年から1989年に診断され、出生年、性別、および行政地区を対照と一致させた。電界および磁界へのばく露レベルは、電力線の特性および距離を考慮に入れたコンピュータプログラムによって計算した。その結果、時間加重平均した磁界ばく露と全がん、脳腫瘍、リンパ腫、または白血病との間に関連性は見られなかった;その他の部位のがんでは、いくつかのばく露尺度の全てではないが、いくつかのばく露尺度における2つの最高ばく露カテゴリーで、オッズ比上昇が見られた、と報告している。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | 磁界への時間加重平均ばく露、出生から診断まで:< 0.05 µT |
集団 2 | 磁界への時間加重平均ばく露、出生から診断まで:0.05 - < 0.14 µT |
集団 3 | 磁界への時間加重平均ばく露、出生から診断まで:≥ 0.14 µT |
参照集団 4 | 住所から最も近い電力線までの距離:≥ 101 m |
集団 5 | 住所から最も近い電力線までの距離:51 - 101 m |
集団 6 | 住所から最も近い電力線までの距離:< 51 m |
参照集団 7 | 診断に最も近い時期に計算した磁界:< 0.05 µT |
集団 8 | 診断に最も近い時期に計算した磁界:0.05 - < 0.14 µT |
集団 9 | 診断に最も近い時期に計算した磁界:≥ 0.14 µT |
集団 10 | 生後一年間に計算した磁界:0.05 - < 0.14 µT |
参照集団 11 | 生後一年間に計算した磁界:< 0.05 µT |
集団 12 | 生後一年間に計算した磁界:≥ 0.14 µT |
症例 | 対照 | |
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適格者 | 532 | 2,112 |
参加者 | 500 | 2,004 |
1960、1970、1980、1985、1987または1989年の少なくとも1年間、選択された区に住む168450人の子どものコホート
0.2µT超の磁界への時間加重平均ばく露は、僅か10人のがん症例についてしか計算できなかった。磁界への時間加重平均または累積ばく露と、全ての側を組合わせた小児がん、脳腫瘍、リンパ腫及び白血病との関連は認められなかった。他の部位でのがんについては、最も高いばく露カテゴリーの一部においてリスク上昇が観察された。
この地検は、磁界へのばく露と小児がんとの関連をほとんど支持しておらず、また、小児白血病と磁界との関連を全く支持していない。
参加者数が少ないため、確たる結論は導けない。
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