(2016年9月時点の英文ウェブページの和訳です)
電撃傷(電気ショックとも呼ばれる)とは、ヒトまたは動物の体を貫通する電流により引き起こされるヒトまたは動物の傷害です。電流の大きさ、通電時間および電流経路(例えば、右手から両足へ)などいくつかの要因に依存して、微弱なチクチク感、不随意性筋収縮、熱傷、不整脈、それから感電死まで、さまざまな影響が身体に生じる可能性があります。以下に、ヒトへの影響に関する要点を示します。
電流は、自由電荷担体(例えば、電子またはイオン)の方向性のある流れです。電荷の流れは電気エネルギーの移動を意味します。電流Iは、アンペア [A]という単位で測定されます。電圧Uは、2点間の電気的な位置エネルギーの差であり、ボルト [V]という単位で測定されます。電気抵抗Rは、導電体が電流の流れをどの程度妨害するかの尺度です。電気抵抗の単位はオーム [Ω]です。
電流、電圧および抵抗の間の関係は、オームの法則で与えられます:
I = U/R
この式は、電圧が高ければ高いほど、そして抵抗が小さければ小さいほど、電流が大きくなることを意味します。
電流には、直流と交流の2種類があります(図参照)。直流(DC)は、電荷の一方向への流れです(図の左側参照)。交流は(AC)、電荷の流れが周期的に方向を反転するものです(図の右側参照)。周波数とは、この変化が毎秒何回起きるかを表すものです。周波数の単位はヘルツ [Hz]です。 例えば、50Hz の交流電流は毎秒50周期を有します。
電圧は、その大きさにしたがって、低電圧と高電圧に分けられます。低電圧は、交流では1000Vまで、直流では1500Vまでになります。それに相応して高電圧は、交流では1000V、直流では1500Vから上になります。一般家庭用の電流は、低電圧交流の一例です:この電流を供給する電力線の周波数と電圧は、米国、カナダおよび他のアメリカ大陸の国々では60Hz、110V、一方、欧州では50Hz、230Vです。一般家庭用の電流は、家庭用電化製品(例:電気ケトル、食洗機)に用いられます。いくつかの機器(例:ラジオ、TV、コンピュータ)は、交流を直流に変換して用いる必要があります。低電圧直流は、例えば、バッテリーや太陽光発電設備に用いられます。高電圧交流は、(最大380kVの)高電圧の送電線および地中ケーブル経由での発電所からの送電に用いられます。高電圧直流は、高電圧直流(HVDC)電力線経由の送電用として徐々に利用が増えています。
電気アークは、(直流または交流の)電力線の近くで生じる可能性があります。電位差があり、お互いに接触していない2つの物体の間の高電圧は、放電(絶縁破壊)し、極めて高温を発する火花放電電流を発生させる可能性があります。
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