磁界

磁界は、電荷移動電流)により生じます。また永久磁石からも発生します。永久磁石は、地球磁場の場合のように、強度と方向性(極性)が概ね一定の静磁界(0 Hz)を持ちます。

理想的な円筒形磁石による磁界
写真: Geek3, ライセンス: CC BY-SA 3.0, Wikimedia Commonsより。

導体中では、静磁界直流電流と共に)または交流磁界交流電流と共に)が供給される電流に依存して生成されます。交流磁界の場合、その磁界を生成している電気的導体中での電流の向きの周期的変化にしたがって極性が変化します(例えば、50 Hz交流の場合、毎秒100回の極性変化)。静磁界の場合、極性はほぼ不変です。

電流 (I)が流れている導体周囲の磁界(B)
写真: Stannered, ライセンス: CC BY-SA 3.0, Wikimedia Commonsより

導体周囲の磁界強度は、電流強度の増加につれて上昇し、磁界発生源からの距離が大きくなるにつれて低下します。発生源からの距離にしたがってどのように磁界強度が低下するかは、発生源のタイプによって決まります(図をご覧下さい)。

磁界の強さは、磁界強度Hと呼び、アンペア毎メートル(A/m)を単位として測定されます。電界強度Eとは対照的に、磁界強度磁界の総電磁力を表していません。なぜなら、磁界の総電磁力は電流強度だけでなく磁界が透過する物質にも依存するからです。 したがって、物質中の磁界の強さを表すために、磁束密度B(単位テスラ(T))を用います。磁束密度は、よく磁気誘導とも呼ばれます。磁束密度Bは、物質の定数である透磁率μを用いて、磁界強度Hと結びつけられます。

B = µ × H

簡単に言えば、透磁率μ(導磁率とも呼ぶ)は物質の磁界に対する透過性の尺度です。