この研究は、マウスにジメチルベンゾ(a)アントラセン(DMBA)で誘発した悪性リンパ腫/リンパ性白血病に対する50Hz磁界のプロモーション作用の有無を調べた。CD-1マウスのイニシェーションは、生後24時間以内に60 μgのDMBAの1回皮下注射により行われた。離乳後、マウスを無作為に5群に分けた(各群は、50匹のオス、50匹のメスの合計100匹から成る)。ケージ対照群、擬似ばく露群および3つのばく露群(磁束密度は7、70、または350 μT rms)である。50 Hzの円偏波磁界(MF)へのばく露を、22時間 /日、7日/週、30週間継続した。動物を毎日観察し、悪性リンパ腫/リンパ性白血病の発症を組織病理学的に調べた。実験は2回行われた。その結果、悪性リンパ腫/リンパ性白血病を発症したマウスの累積比率に性差は観察されなかった;Cox回帰モデルを使用した3元配置の逸脱度分析により、実験、性別、または動物群間に交互作用はなかった;MFばく露群における悪性リンパ腫/リンパ性白血病のマウスの累積比率は、どのばく露実験においても、どちらの性別でも、または雌雄合計で見ても、あるいは2つのばく露群を総合したすべての動物で見ても、擬似ばく露群のそれよりも有意に高くはなかった;これらのデータは、電力周波数のMFが造血系腫瘍の重要なリスク因子であるという仮説を支持する証拠を提供なかった、と報告している。
350mTまでの50Hz円偏波磁界への30週間のばく露が、マウスにおけるDMBA誘導性の悪性リンパ腫/リンパ性白血病の発生率の上昇と、量‐発生率の形で関連しているかどうかを調べること。更に、データの再現性を確認するため、実験を2回実施した。
新生マウスに、生後24時間以内にDMBA60µgを単回皮下注射した。離乳後、動物を各100匹(雌雄各50匹)の5群に無作為に分けた。1群はケージ対照とした。他の4群は偽ばく露、あるいは7、70、または350mT磁界のいずれかにばく露した。
the mice were divided in five groups: i) cage control ii) sham exposure iii) exposure to 7 µT iv) exposure to 70 µT v) exposure to 350 µT the experiment was conducted twice
周波数 | 50 Hz |
---|---|
タイプ |
|
ばく露時間 | 22 h/day, 7 days/week for 30 weeks |
ばく露の発生源/構造 |
|
---|---|
ばく露装置の詳細 | two orthogonal sets of four square coils; for the horizontal MF: length of coils = 2379 mm; outer coils = 52 turns, inner coils = 22 turns; for the vertical MF: length of coils = 2530 mm; outer coils = 52 turns, inner coils = 22 turns experimental area in the center of the coils: 1.3 x 1.3 x 1.3 m; animals in plastic cages on wooden shelfs in this area |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
磁界ばく露における群悪性リンパ腫/リンパ性白血病のマウスの累積比率は、個別の実験での雌雄どちらでも、各実験で雌雄を合わせても、2つの実験の全てのマウスを合わせても、偽ばく露群よりも有意に高くなかった。
この結果は、電力周波数磁界は造血系新生物の有意なリスク要因であるという仮説を支持する証拠を示さなかった。
このウェブサイトはクッキー(Cookies)を使って、最善のブラウジングエクスペリエンスを提供しています。あなたがこのウェブサイトを継続して使用することで、私たちがクッキーを使用することを許可することになります。