このレビュー論文は、商用周波磁界ばく露と小児白血病のリスクとの関連を調べた症例対照研究9件のメタ分析である。9件の対象論文は、1997-2013年の範囲で諸文献データベースから検索したもので、2010年のKheifetsのプール分析以降の新しい研究を含めるのが目的であると述べている。しかし9件の内訳は、4件が2000年のAhlbomのプール分析(対象論文9)に含まれたもの、4件がKheifetsのプール分析(対象論文7)に含まれたもの、残りの1件はカナダのGreenらの論文(1999)である。著者は、これまで丹念に行われているプール分析、メタ分析に十分に触れておらず、さらには分析対象論文の採択理由が不明などの問題を含んでいるが、9件について通常のメタ分析の手法を適用し、その結果を報告している。
電力線の磁界ばく露と小児白血病のリスクとの関連をメタ分析で調査した。以下の9報を含めた:Michaelis他、1997(ドイツ)、Linet他、1997(米国)、Dockerty他、1998(ニュージーランド)、McBride他、1999(カナダ)、Green他、1999(カナダ)、Schüz他、2001(ドイツ)、Kabuto他、2006(日本)、Kroll他、2010(英国)、及び Malagoli他、2010(イタリア)。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | 磁界強度: < 0.1 µT |
集団 2 | 磁界強度: 0.1-0.2 µT |
集団 3 | 磁界強度: 0.2-0.4 µT |
集団 4 | 磁界強度: ≥ 0.4 µT |
参照集団 5 | 磁界強度: < 0.2 µT |
集団 6 | 磁界強度: ≥ 0.2 µT |
参照集団 7 | 磁界強度: < 0.1 µT |
集団 8 | 磁界強度: 0.1-0.2 µT |
集団 9 | 磁界強度: 0.2-0.3 µT |
集団 10 | 磁界強度: ≥ 0.4 µT |
タイプ | 値 |
---|---|
合計 | 24,893 |
症例11699人及び対照13194人
≥ 0.4µTの磁界強度(参考レベル < 0.1µT)と小児白血病のリスクとの統計的に有意な関連が認められた(白血病全体:OR 1.57、CI 1.03-2.40;急性リンパ性白血病:OR 2.43、CI 1.30-4.55)。参考レベルを < 0.2µTとした場合、≥ 0.2µTの磁界強度と小児白血病との正の関連が認められた(OR 1.31、CI = 1.06-1.61)。
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