プール分析では、電力線からの距離と高い磁界へのばく露に関連した、小児白血病の僅かなリスク上昇が示唆されている。磁界は電力線からの距離と相関していることから、そのリスクは磁界ばく露によるものか、あるいは、電力線からの距離に関連したその他の何らかの要因によるものか、という疑問が未解決のままである。この研究は、大規模な記録ベースの症例対照研究からのデータを用いて、磁界、高圧線からの距離、及び小児白血病のリスクとのもつれた関連を解明するため、幾つかの疑問を調べた。その結果、距離と磁界ばく露との相互作用を調べるモデルでは、高圧線への近接度と高い磁界計算値のどちらも単独では、小児白血病のリスクとは関連しないことが示された。むしろ、高圧線に非常に近く(<50 m)、磁界計算値が高い(≥0.4 μT)グループで、リスク上昇が確認された(オッズ比(OR)= 4.06、95%信頼区間(CI)= 1.16-14.3)。更に、低圧線(<200 kV)だけによる高い磁界計算値(≥0.4 μT)はリスク上昇と関連していなかった。むしろ、リスクは高圧線に帰結される高い磁界に限定された。その他の説明も可能ではあるが、この知見は、距離と小児白血病との関連を磁界のみで説明することに反対し、電力線の特徴に関係したその他の説明を支持している、と著者らは結論付けている。
グループ | 説明 |
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参照集団 1 | distance of residential birth address from closest power line: ≥ 600 m |
集団 2 | Abstand der Wohnadresse bei Geburt zur nächsten Hochspannungsfreileitung: 500 - 600 m |
集団 3 | distance of residential birth address from closest power line: 400 - 500 m |
集団 4 | distance of residential birth address from closest power line: 300 - 400 m |
集団 5 | distance of residential birth address from closest power line: 200 - 300 m |
集団 6 | distance of residential birth address from closest power line: 100 - 200 m |
集団 7 | distance of residential birth address from closest power line: 50 - 100 m |
集団 8 | distance of residential birth address from closest power line: 0 - 50 m |
参照集団 9 | magnetic flux density: < 0.1 µT |
集団 10 | magnetic flux density: ≥ 0.1 - < 0.2 µT |
集団 11 | magnetic flux density: ≥ 0.2 - < 0.4 µT |
集団 12 | magnetic flux density: ≥ 0.4 µT |
症例 | 対照 | |
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評価可能 | 4,879 | 4,835 |
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