この疫学研究は、高圧送電線沿線地帯(磁界計算値が0.1 μT 未満、0.1μT以上0.2μT未満、0.2μT以上0.4μT未満、0.4μT以上の地域)を有する北イタリアの自治体モデナ及びレッジョ・エミリアでの小児白血病に関する症例対照研究である。1986-2007年間にこれらの自治体で同定された14歳未満における新規診断の血液系悪性腫瘍64症例について、1症例につき4対照をマッチング選出し、全対象者の居住歴および両親の社会経済的状況の情報を収集した。その結果、0.1μT以上のばく露地域での居住歴と関連する白血病の粗相対リスクは3.2(社会経済的状況調整相対リスクは6.7)であるが、その95%信頼区間は0.4-23.4と不安定で、量-反応関係は見られなかった;急性リンパ性白血病に対する相対リスクは5.3(95%信頼区間は0.7-43.5);その他の血液系悪性腫瘍のリスク上昇は見られなかった、などの所見を報告している。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | 磁界ばく露: 0.1 - < 0.2 µT |
集団 2 | 磁界ばく露: 0.2 - < 0.4 µT |
集団 3 | 磁界ばく露 ≥ 0.4 µT |
参照集団 4 | 磁界ばく露 < 0.1 µT |
集団 5 | 磁界ばく露 ≥ 0.1 µT |
集団 6 | 磁界ばく露 ≥ 0.4 µT |
症例 | 対照 | |
---|---|---|
適格者 | 64 | 256 |
症例2人と対照5人が電力線からの磁界にばく露されていた(症例1人と対照3人は磁界強度が0.1-0.2µT;症例1人と対照2人は0.4µT超)。
磁界ばく露が0.1µT超(RR 6.7、CI 0.6-78.3)及び0.4µT超(RR 2.1、CI 0.2-26.2)の以前の住所について、統計的に有意ではない小児白血病のリスク上昇が認められた。ばく露が0.1µT超の子どもについて、統計的に有意ではない急性リンパ芽球性白血病のリスク上昇が認められた(RR 5.3、CI 0.7-43.5)。著者らは、この結果は磁界ばく露が小児白血病のリスクを高めるという仮説を支持しているようである、と結論付けた。
この知見は症例と対照の少ない数に基づいている。
このウェブサイトはクッキー(Cookies)を使って、最善のブラウジングエクスペリエンスを提供しています。あなたがこのウェブサイトを継続して使用することで、私たちがクッキーを使用することを許可することになります。