この研究は、小児白血病と低年齢での不顕性感染の関連を分析した症例対照研究である。ギリシャにおいて、1992年1月から8月に、症例(136人の白血病の小児)および対照(187人の白血病でない小児)の両親に電話インタビュー調査が実施された。症例および対照の大半がアテネとその周辺に居住、残りはクレタ島に居住していた。多重ロジスティック回帰分析では居住地が調整された。保育園への通園を、低年齢感染の代替指標とした。その結果、保育園の通園者群における白血病発症リスクは、非通園者群に比べ低かった(RR = 0.67)が、有意差はなかった;しかし、乳児期の通園者群(生後2年以内に少なくとも3か月間)においては相対リスクが0.28となり、非通園者群に比べ通園が白血病発症に対して有意な保護効果を持つことが示された(p = .03);低年齢での通園に関して別の定義を用いても、この有意性は保たれた;磁界ばく露も同様に、小児白血病発症に対して保護効果を持つように見えたが、この効果は有意には達しなかった(p = .07);変電所から100 mの相対リスクは0.35であった;一方、送電線の近くに住んでいる小児の相対リスクは、わずかではあるが有意に上昇した(5 mにおいて1.19、p = 0.63);その他に有意となったリスク因子には、診断時の低年齢、母親の教育歴(高校教育未満)があった、と報告している。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | 電力線からの距離:≥ 50 m |
集団 2 | 電力線からの距離:5 - 49 m |
集団 3 | 電力線からの距離:< 5 m |
参照集団 4 | 変電所からの距離:≥ 100 m |
集団 5 | 変電所からの距離:< 100 m |
症例 | 対照 | |
---|---|---|
適格者 | 183 | - |
参加者 | 136 | 187 |
2つの磁界ばく露源についての結果は、対立する結果を示唆した。変電所から100m以内の距離に住む子どもには、小児白血病の有意ではないリスク低下が見られた(RR 0.35、CI 0.12-1.08)が、電力線から5m以内の距離に住む子どもには、小児白血病の僅かだが有意ではない相対リスク上昇が認められた(RR 1.19、CI 0.59-2.41)。
このウェブサイトはクッキー(Cookies)を使って、最善のブラウジングエクスペリエンスを提供しています。あなたがこのウェブサイトを継続して使用することで、私たちがクッキーを使用することを許可することになります。