この研究は、英国における父親の職業ばく露と小児白血病の関連可能性についての症例対照研究である。英国がん登録から、1962-2006年に英国で生まれ、かつ小児白血病と(15歳未満で)診断された全ての症例16767人、および性・年齢区分・出生登録地域をマッチさせた同数の対照について、父親の職業上のばく露グループ(33カテゴリーから1つ以上を指定:例えば、農業、排気ガス、金属、熱、プラスティック、社会的接触、電磁界、放射線など。)、子供の出生時の父親の社会階層(職業から割り出した)を調べた。その結果、33個のばく露カテゴリーの中で唯一「職業上の社会的接触」が全小児白血病と関連した(OR=1.14, 1.05-1.23);この関連は社会階層を調整後も有意であった;サブタイプでは、リンパ性白血病(LL)および急性骨髄性白血病も父親の「社会的接触」でリスク上昇した(社会階層を調整しない場合);その他の白血病は「」で有意にリスク上昇し、社会階層を調整後も有意であった;全白血病について、「鉛」および「排気ガス」のばく露カテゴリーのオッズ比は有意に< 1であった;社会階層はLLと関連し、社会階層が上位になるにつれてリスク上昇を示した、などの所見を報告している。
症例 | 対照 | |
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適格者 | 17,793 | 16,764 |
評価可能 | 16,764 | 16,764 |
小児白血病全体、リンパ性白血病、急性骨髄性白血病については、父親の電磁界ばく露に関連した統計的に有意なリスク上昇は認められなかった。但し、その他の種類の白血病のリスクは、父親の電磁界ばく露によって有意に上昇した(調整後のOR 1.60;CI 1.11-2.33、119組の症例と対照のペアに基づく)。
著者らは、この結果は小児白血病のリスクと社会的接触に関する父親の職業との正の関連について幾らかの支持を示している、と結論付けた。加えて、本研究は、より高い職業上の社会的階級は小児白血病のリスク要因である、ということの更なる証拠を提示した。
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