極低周波磁界(ELF-MFs)は、国際がん研究機関によって人への潜在的発がん性要因として分類されている。本研究はドイツでの集団症例対照研究で、親が職場でELF-MFsにばく露していると予測される子供は、がん発生の危険性が上がるかどうかについて調査した。0~14歳の症例が、ドイツの小児がん登録から確認され、対照群は地域住民登録所から選択された。親の職業経歴はアンケートと電話による聞き取りで記録され、予測される磁界ばく露が職業ばく露マトリクスによって評価された。2382の対照群と2049の症例(急性白血病の846人の子供、非ホジキンリンパ腫の159人の子供、中枢神経腫瘍の444人の子供、他の固形腫瘍の600人の子供)で分析が行われた。周波数に適合させた条件付きロジスティック回帰モデルによって、父親が0.2μTを超える磁界に職業ばく露している子供においてがん発生の危険性上昇はないことが明らかにされた。また、1μTを超える磁界レベルでも危険性上昇の証拠は見られなかった。非常に小さな数に基づいた母親の職業ばく露も、がん発生の危険性上昇との関係は見られなかった。今回の大規模症例対照研究では、小児がんの危険性は予測される親のELF-MFばく露とは結びつかなかった。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | ELF磁界への父親の職業ばく露: ≤ 0.2 µT |
集団 2 | ELF磁界への父親の職業ばく露: > 0.2 µT |
参照集団 3 | ELF磁界への父親の職業ばく露: ≤ 0.1 µT |
集団 4 | ELF磁界への父親の職業ばく露: > 0.1 - 0.2 µT |
集団 5 | ELF磁界への父親の職業ばく露: > 0.2 - 1 µT |
集団 6 | ELF磁界への父親の職業ばく露: > 1 µT |
症例 | 対照 | |
---|---|---|
評価可能 | 2,049 | 2,382 |
父親の約24%、母親の6.6%が、0.2µTを超える超低周波磁界に職業ばく露されていた。0.2µT超の磁界に職業ばく露されていた父親の子どもには、がんリスクの上昇は認められなかった。更に、1µTを超えるレベルの磁界についてもがんリスクの上昇は認められなかった。母親の磁界への職業ばく露も子どものがんリスクの上昇と関連していなかった。
この大規模症例対照研究では、小児がんのリスクは、妊娠前の親の超低周波磁界へのばく露とつながっていなかった。
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