磁界が≧0.01uTの送電線付近に居住する小児のガンリスクを調べることが目的であり、コホートによる調査である。計算値が≧0.01uTの磁界の110-400kVの送電線で500m以内に1970-1989年に居住した0歳から19歳の68300名の男子と66500名の女子を対象にし、全国戸籍簿の関連記録により確認した。がんの追跡調査で観察された症例数と神経系腫瘍、白血病とリンパ腫の標準化発症率を求めた。その結果、全ガンのコーホート140症例が観測された(145が期待値で;標準化発症率 0.97 (95%信頼区間 0.81-1.1)。全ガンでの統計的に有意な増加はなく、白血病とリンパ腫はどのばく露レベルの子供にも見られなかった。神経系腫瘍の統計的に重要な過剰が磁界≧0.02uT又は累積ばく露≧0.40uT・年の男子に見られた。結論として、送電線の磁界は小児ガンに関して主要な公衆衛生上の問題とはならない。より強い磁界でのがんリスクについては結論は得られない。
負荷の流れに基づく中心点の磁界を計算するため、電力線の500m以内にある建物を同定した。子どもは、磁界が≥ 0.2µTの建物に住んでいるか、累積ばく露が ≥ 0.4µT-年の場合、ばく露されたと分類した。
グループ | 説明 |
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参照集団 1 | 磁界:0.01 - 0.19 µT |
集団 2 | 磁界:≥ 0.2 µT |
参照集団 3 | 累積ばく露:0.01 - 0.39 µT‐年 |
集団 4 | 累積ばく露:≥ 0.4 µT‐年 |
タイプ | 値 |
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合計 | 134,800 |
0.2µT以上の電力線の磁界にばく露されていた子どもは僅か7300人(5.4%)であった。累積ばく露が0.4µT-年を超える子どもは12900人(9.6%)であった。
どのばく露レベルの子どもにも、白血病、リンパ腫、またはがん全体についての有意なリスク上昇は認められなかった。男児において中枢神経腫瘍の有意なリスク上昇が認められた(5人の症例に基づく)が、偶然による知見のようである。この結果は、電力線の磁界は小児がんに関する主要な公衆衛生リスクとはならないことを示唆した。
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