この疫学研究は、225-400 kV (VHV-HVOL) および63-150 kV (HV-HVOL)の高圧電力線の近傍居住における小児急性白血病(AL)発症率上昇について検証することを目的に、全国規模のGeocap研究として実施された。小児ALの症例は、2002-2007年間にフランスで小児ALと診断された2779人、対照は、症例と同時代の人口から無作為抽出された30000人である。個人の参加の意思に無関係なため、選択バイアスが排除されていることがこの研究の強みであると著者は述べている。調査加入時の住所を地理コード化し、全国のHVOLネットワーク周辺での位置を精密に把握した。その結果、VHV-HVOLから50m以内の住居でのAL発症率について有意ではないがオッズ比上昇が見られた(OR=1.7;95%信頼区間0.9-3.6);その一方、VHV-HVOLからそれ以上離れた住居、またはHV-HVOLから50m以内の住居では関連が何も見られなかった、と報告し、これまでの国際的な研究結果が支持されたと述べている。
グループ | 説明 |
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参照集団 1 | 電力線から ≥ 600mに全体が位置する自治体の住民 |
集団 2 | 最も近くの電力線までの距離: ≥ 600 m |
集団 3 | 最も近くの電力線までの距離: 200 - 599 m |
集団 4 | 最も近くの電力線までの距離: 100 - 199 m |
集団 5 | 最も近くの電力線までの距離: 50 - 99 m |
集団 6 | 最も近くの電力線までの距離: 0 - 49 m |
症例 | 対照 | |
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適格者 | 2,779 | 30,000 |
小児急性白血病の発生率と250-400kVの電力線の50m以内の居住についてリスク上昇が認められた(OR 1.7、CI 0.9-3.6、症例9人、対照60人に基づく)。対照的に、250-400kVの電力線からのそれ以上の距離、または63-150kVの電力線の50m以内では、関連はなかった。
著者らは、選択バイアスがない本研究は、225-400kVの電力線の近くでの小児急性白血病の発生率の上昇についての以前の国際的な知見を支持している、と結論付けている。この結果における超低周波磁界の潜在的役割を調査するため、毎年の電流負荷及び地域の特徴に基づくモデルを用いて、電力線の近くでの超低周波磁界を推定すべきである。
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