<目的>電力周波数の電磁界曝露に関連した小児白血病の危険度を評価すること。 <方法>研究対象:カナダ・ブリティッシュコロンビア州ほか4州に住む年齢0~14歳の小児。症例小児399名、対照小児399名。曝露評価:48時間個人電磁界測定、受胎から診断/基準日までの被験者の住居のワイアコード化及び磁界測定、寝室の24時間磁界測定。 <結果>OR=調整後オッズ比:個人磁界値は白血病あるいは急性リンパ球性白血病の危険度とは関係がなかった。全白血病(OR=0.95(95%CI 0.72-1.26)、傾向のp値=0.73[表4])、急性リンパ球性白血病(OR=0.93(95%CI 0.70-1.25)、傾向のp値=0.64[表6])。被験者の診断/基準日の2年前または生涯の推定磁界曝露量[表4]、個人電界曝露量[表7]と小児白血病の危険度との明らかな関連性はなかった。診断/基準日の2年前の被験者の住居の中で極めて高位置に電線の配置があると、急性リンパ球性白血病の危険度の統計的に有意でない上昇が認められた。[表6]。地下配線と比較してOR=1.72(95%CI 0.54-5.45)。本研究の結果は、電力周波数の電磁界と小児白血病の危険度の関連性をほとんど支持しない。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | 測定した磁界の時間加重平均:< 0.08 µT |
集団 2 | 測定した磁界の時間加重平均:0.08 - < 0.15 µT |
集団 3 | 測定した磁界の時間加重平均:0.15 - < 0.27 µ |
集団 4 | 測定した磁界の時間加重平均:0.27 - < 1.61 µT |
参照集団 5 | 測定した磁界の時間加重平均:< 0.2 µT |
集団 6 | 測定した磁界の時間加重平均:≥ 0.2 µT |
参照集団 7 | Wertheimer-Leeperコード:地下 |
集団 8 | Wertheimer-Leeperコード:非常に低い |
集団 9 | Wertheimer-Leeperコード:一般に低い |
集団 10 | Wertheimer-Leeperコード:一般に高い |
集団 11 | Wertheimer-Leeperコード:非常に高い |
参照集団 12 | Kaune-Savitzコード:低 |
集団 13 | Kaune-Savitzコード:中 |
集団 14 | Kaune-Savitzコード:高 |
参照集団 15 | 測定した電界の時間加重平均:< 12.2 V/m |
集団 16 | 測定した電界の時間加重平均:12.2 - < 17.2 V/m |
集団 17 | 測定した電界の時間加重平均:17.2 - < 24.6 V/m |
集団 18 | 測定した電界の時間加重平均:24.6 - < 64.7 V/m |
参照集団 19 | 測定した電界の時間加重平均:< 20 V/m |
集団 20 | 測定した電界の時間加重平均:≥ 20 V/m |
症例 | 対照 | |
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適格者 | 445 | 526 |
参加者 | 399 | 399 |
参加率 | 90 % | 76 % |
症例の88%が急性リンパ性白血病を有していた
ばく露評価の種類にかかわらず、磁界及び電界に関する小児白血病のリスク上昇は認められなかった。診断の2年前の被験者の住居において、「非常に高い」電線配置に関する急性リンパ性白血病の有意でないリスク上昇が認められた。
この知見は、電力周波数の電界及び磁界と小児白血病のリスクとの関連に対する支持をほとんど与えていない。
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