多くの研究者が、急性小児白血病のリスク因子として、送電線や家庭内電気系統からの極低周波磁界の影響を研究しているが、超高電圧架空送電線に関する情報は限られている。開発途上国の子供はこうした建造物のきわめて近くに住んでいて、我々は集団に発生した急性白血病の患者を何人か記録した。この研究では、イラン北西部の地方都市における急性白血病と診断された60人の症例と59人の対応する対照群を分析した。同意書提出の後、詳細な書式に記入され、両グループの現在の(以前の)住居地区への視察が手配された。超高電圧架空送電線の位置が各地域で確認され、あった場合は研究対象の家からそれらの送電線までの距離が測定された。平均の電流強度と他の電力ラインの特徴を持つ磁界(B)の予測強度が、Åに関連した方程式によって算出された。症例グループの14人の患者(23.5%)は、高圧送電線から500 m以内に住んでいた(平均のB=0.6μT)。同じ距離での対照群においては、その数は2人の子供(3.3%)(平均のB=0.35μT)であった。統計的に、白血病の可能性は、この距離においてかなり上昇した(オッズ比(OR)=8.67、95%信頼区間(CI)=1.74~58.4、P値=0.001)。他方、白血病グループの15症例(25%)が、対照グループの5人(8.5%)に比べ、0.45μTを超える磁界を体験していた(OR=3.60、95%CI=1.11~12.39、P値=0.01)。イランのような発展途上国ではかなり多くの子供が超高圧架空送電線の近くに住んでいて、先進国の子供よりも、磁界からのより危険な影響を経験している。超高圧架空送電線の近くの住居(500 m以内、0.45μTを超える磁界)は、小児急性白血病の発病のリスク因子として見なされるべきである。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | 住居から高圧電力線までの距離:≥ 500 m |
集団 2 | 住居から高圧電力線までの距離:< 500 m |
参照集団 3 | 平均磁界:≤ 0.45 µT |
集団 4 | 平均磁界:> 0.45 µT |
症例 | 対照 | |
---|---|---|
適格者 | 71 | 75 |
参加者 | 60 | 59 |
参加率 | 84 % | 79 % |
症例14人(23.5%)及び対照2人(3.3%)が、高圧電力線から500m以内に住んでいた。症例15人(25%)及び対照5人(8.5%)が、0.45µTを超える磁界にばく露されていた。高圧電力線から500m以内に住んでいた子ども、及び0.45µTを超える磁界にばく露されていた子どもについて、統計的に有意な急性白血病のリスク上昇が認められた。
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