脳波の変化

(2016年4月時点の英文ウェブページの和訳です)

ヒトの脳は、さまざまな活動状態をとり得る複数の神経ネットワークで構成されています。脳の活動は、いくつかの指標で測定可能です。その一つが電位の変化で、これはEEG(脳電図)で記録されます。EEGにおける特殊な波形事象関連電位です。自発的EEG(ある"事象"とは独立して表れるもの)とは対照的に、これらの波形は、感覚の感知により生じるか(例:視覚、聴覚、運動または体性感>覚への刺激誘発される電位)、または認知過程と相関します(ビジランス(持続注意集中)、記憶などの事象に関連する電位)。誘発電位は身体への刺激の処理過程を表し、事象関連電位は"より
高度な層での処理"により生じます。多様な個人のEEGの解釈における難しさの一つは、個人間での変動が大きいことを前提として判断しなければならないことです。事象関連電位および誘発電位にお>いては、この変動性がそれほど大きくはありません。

ヒトおよび動物の脳の活動への磁界の影響に関する研究がいくつかあります。それらの研究では、EEGの主要周波数帯のパワースペクトル密度誘発電位または事象関連電位が調べられました(詳細なリス>トは、WHOの"環境保健クライテリア238"(p. 125以降、およびp. 151)、磁界に関しては EMF-Portal内のこちら、また電界に関しては EMF-Portal内のこちら)。これらの研究は実験デザインおよびばく露条件に違いがあるため、比較は困難です。その上、一貫性がない結>果、相反する結果が存在します。さらに付け加えると、欧州委員会の新興及び新規同定された健康リスクに関する科学委員会(SCENIHR 2015)はその電磁界ばく露による潜在的な健康影響に関する意見書(p. 169)において、「現存の研究は、用いた電磁界、ばく>露時間、統計的手法に関して一様でないため、意味のある結論を導くための役に立たない」と要約しています。WHOに拠れば、このトピックに関するさらなる研究の必要性が、とりわけ職業ばく露および小>児に関して依然としてあります。