この研究は、小児の中枢神経系(CNS)腫瘍とさまざまな潜在的リスク因子との関連を調査することを目的に、調査期間1993年- 1997年で、ドイツの2つの調査地域で行われた2つの人口ベース症例対照研究をプール分析した。1つはドイツ北西部、もう1つは西ドイツ全体を調査地域とし、新規症例は全ドイツ小児がん登録から特定され、対照は完備された人口登録ファイルから無作為抽出された。その結果、合計466人の小児CNS腫瘍症例および2458例の対照を分析に用いることができた;ポジティブな関連が観察されたリスク因子はわずかであった;具体的には、CNS腫瘍と低出生体重、CNS腫瘍と1日あたり10本のタバコ、および星状細胞腫と木材防腐剤へのばく露である;CNS腫瘍は、高出生体重、授乳期間、出産時の母親の年齢、妊娠期間、以前の胎児喪失、妊娠中の父親の喫煙、母親のアルコール摂取、子供の殺虫剤ばく露、母親の妊娠中の診断用X線検査、子供のX線検査、または居住環境での磁界ばく露に関連しなかった;結論として、大規模な調査集団にもかかわらず、CNS腫瘍またはその形態学的サブグループの1つに関連付けられるリスク要因はほとんどなかった、と報告している。
小児がんと各種の潜在的リスク要因(居住環境磁界を含む)についての2つの症例対照研究をドイツで実施した。本論文は、中枢神経系腫瘍に焦点を絞ったものであり、他の小児白血病についての更なる結果は Michaelis他 (1997)及び Michaelis他 (1998)に発表されている。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | 居住環境磁界へのばく露、24時間測定の中央値:< 0.2 µT |
集団 2 | 居住環境磁界へのばく露、24時間測定の中央値:≥ 0.2 µT |
参照集団 3 | 居住環境磁界へのばく露、夜間の中央値:< 0.2 µT |
集団 4 | 居住環境磁界へのばく露、夜間の中央値:≥ 0.2 µT |
参照集団 5 | 母親の妊娠中の電気毛布使用:なし |
集団 6 | 母親の妊娠中の電気毛布使用:あり |
症例 | 対照 | |
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連絡担当者 | 573 | 3,575 |
評価可能 | 466 | 2,458 |
症例64人のうち僅か2人が、0.2µT以上の居住環境磁界にばく露されていた。夜間の0.2µT以上磁界ばく露について、中枢神経系腫瘍のリスクの有意ではない上昇が認められた(OR 2.60、CI 0.45-14.9)が、これは症例2人、対照5人に基づいていた。中枢神経系腫瘍のリスクと母親の妊娠中の電気毛布使用との関連はなかった。
著者らは、居住環境磁界についての彼らの結果は、小児脳腫瘍と電磁界ばく露との関連の証拠を見出さなかった、Kheifets 他(1999)の知見と矛盾しないと結論付けた。
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