本研究では、イタリア北部の1地域において人口ベースの症例対照研究を実施して、妊娠中における高圧送電線からの磁界への出生前ばく露に関連する先天性異常リスクについて検討した。レッジオ・エミリアの自治体に住む女性について、1998年~2006年に出生、死産、人工妊娠中絶において先天性奇形が診断された228人の症例群と出生年、母親の年齢、出産した病院でマッチングした健康な新生児の対照群を同定した。妊娠初期における母親の住居について地理情報システムを用いて磁界が0.1μT以上と計算される高圧送電線に沿った地帯に、その住居が位置するかどうかを同定した。その結果、1症例及び5対照の母親がばく露ありに分類され、母親の教育で調整した後に、0.1μT以上の磁界に関連するRRは0.2(95% CI 0.0~2.0)であった。調査の統計的検出力は低いが、催奇形性リスクに対する妊娠初期の磁界ばく露の大きな影響は裏付けられない、と著者らは結論している。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | 磁界ばく露: < 0.1 µT |
集団 2 | 磁界ばく露: ≥ 0.1 µT |
集団 3 | 磁界ばく露: ≥ 0.2 µT |
集団 4 | 磁界ばく露: ≥ 0.4 µT |
症例 | 対照 | |
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適格者 | 228 | 228 |
全体として、症例1人及び対照5人の母親が、妊娠初期に磁界強度が ≥ 0.1µTの地域に住んでいた。
高圧電力線からの磁界への妊娠初期の母親のばく露と子の先天異常のリスク上昇との関連は認められなかった(RR 0.2;CI 0.0-2.0)。著者らは、この結果は全体として、妊娠初期の磁界へのばく露による催奇形性リスクの主な影響について支持していない、と結論付けている。
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