この研究は、小児脳腫瘍と超低周波磁界(ELF-MF)ばく露に関する疫学調査の結果をプール分析した。ELF-MFばく露と小児脳腫瘍に関する10件の研究からの一次データ(1960–2001)に基づいてプール分析を実施し、潜在的な交絡因子を調整した統合推定値が両者の関連を示すか否かを評価した。結果として、< 0.1μTのばく露群を参照群として、0.1 - < 0.2 μT、0.2 - < 0.4 μT、≥ 0.4 μTのELF-MFばく露カテゴリーにおける小児脳腫瘍のオッズ比はそれぞれ、0.95(95 %信頼区間(CI):0.65 - 1.41)、0.70(95 %CI:0.40 - 1.22)、1.14(95 %CI :0.61 - 2.13)であった;代替カットポイント、交絡因子のさらなる調整、特定の研究の除外、測定のタイプまたは居住タイプによる層化、およびばく露反応関係のノンパラメトリック推定などを採用した他の分析でも、ELF-MFばく露に関連する小児脳腫瘍リスク上昇の一貫した証拠は見いだせなかった、と報告している。
超低周波磁界と小児脳腫瘍との関連を、10報の研究のプール分析で調査した。以下の研究が含まれた:
Savitz他(1988)、Feychting他(1993)、Olsen他(1993)、Verkasalo他(1993)、Preston-Martin他(1996)、
Tynes他(1997)、英国小児がん研究(1999)、Schüz他(2001)、Saito他(2010)、Kroll他(2010)。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | 磁界ばく露: < 0.1 µT |
集団 2 | 磁界ばく露: 0.1 - < 0.2 µT |
集団 3 | 磁界ばく露: 0.2 - < 0.4 µT |
集団 4 | 磁界ばく露: ≥ 0.4 µT |
タイプ | 値 |
---|---|
合計 | 8,372 |
脳腫瘍の子ども8372人のうち97人、対照11494人のうち305人が、0.1µTを超える超低周波磁界にばく露されていた。0.1µTを超える磁界にばく露されていた子どもには、小児脳腫瘍の統計的に有意なリスク上昇は認められなかった。
著者らは、本研究の結果は、超低周波磁界へのばく露と小児脳腫瘍との関連についての証拠をほとんど提示していない、と結論付けている。
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