研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[妊娠ならびに胎児の成長及び発達に対する超低周波電磁界の影響] epidem.

The effect of extremely low frequency electromagnetic fields on pregnancy and fetal growth and development

掲載誌: Arch Iran Med 2013; 16 (4): 221-224

この研究は、妊娠ならびに胎児の成長と発達に対する超低周波電磁界(ELF-EMF)の影響を調べたコホート研究である。高圧鉄塔およびケーブルからのELF-EMFへ妊娠中にばく露した妊婦222人と妊娠中にそのようなばく露がなかった妊婦158人について、妊娠期間、新生児の出生時の体重・身長・頭囲・性別・先天性奇形を調べた(本人への質問、測定、病院や保健センターの登録データによる)。その結果、妊娠期間、早産、新生児の出生時の体重・身長・頭囲・先天性奇形において両群に有意差は見られなかった、と報告している。

研究の目的(著者による)

ヒトの妊娠胎児の成長及び発達に対する高圧電力タワー及び電力線からの超低周波電界及び磁界へのばく露の影響を判定するため、イランにおいてコホート研究を実施した。

詳細情報

携帯電話の頻繁な使用のため、そのELF磁界無線周波放射による可能性の高い影響は両グループで無視した。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

ばく露

ばく露評価

ばく露集団

グループ 説明
集団 1 電力線の直下または25m以内の距離にある住居に住む女性:ばく露
参照集団 2 ばく露された住居から2-3街区離れた場所に住む女性:非ばく露

調査対象集団

調査規模

タイプ
合計 380
統計学的分析方法:

結論(著者による)

ELF電界及び磁界ばく露グループには222人(平均磁界強度:0.3 ± 0.18 µT;平均電界強度:6.7 ± 5.5 kV)、非ばく露グループには158人(平均磁界強度:0.04 ± 0.004 µT;平均電界強度: 0.02 ± 0.008 kV)の妊婦がいた。

両グループで、早期陣痛、出生時体重、出生児身長、頭囲及び先天性奇形に有意差は認められなかった。

研究助成

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