人口ベースの症例対照研究において、商用周波数磁界(MF)へのばく露について、新規に小児脳腫瘍と診断された症例55を、症例と年齢・性別・居住地域をマッチさせた無作為選出の対照99と比較した。最も低いばく露カテゴリ-(<0.1 µT)との比較でみたオッズ比は、0.2-0.4 µTのばく露カテゴリーで1.58(95%信頼区間: 0.25-9.83)であったが、これはばく露症例2とばく露対照4に基づくものであった。最も高いばく露カテゴリー(0.4 µT)では(ばく露症例3とばく露対照1に基づいて)オッズ比は10.9 (95%信頼区間: 1.05-113)と推定された。この研究のサンプルサイズは非常に小さいため、結果を不安定にしている。この課題に関する先行研究と比較すると、仮にリスクがあるとしても観察されたリスクは真のリスクの全くの過剰評価である可能性がある。この研究は、著者自身も認めているとおり、メタ分析の場面でのみ検討されるべきである。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | 寝室の磁界レベル:0.1 µT未満 |
集団 2 | 寝室の磁界レベル:0.1-0.2 µT |
集団 3 | 寝室の磁界レベル:0.2-0.4 µT |
集団 4 | 寝室の磁界レベル:0.4 µT超 |
症例 | 対照 | |
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適格者 | 167 | - |
参加者 | 72 | 189 |
評価可能 | 55 | 99 |
寝室の磁界レベルが0.4µTを超える子どもで、脳腫瘍のリスクが有意に高かった(OR 10.9、CI 1.05-113)。寝室の磁界レベルが0.2-0.4µTの子どもについて、統計的に有意ではないリスク上昇が認められた(OR 1.58、CI 0.25-9.83)。
著者らは、0.4µTを超える磁界へのばく露と小児脳腫瘍のリスクとの正の関連が認められた、と結論付けた。この関連は、交絡因子または選択バイアスだけでは説明できなかった。
この知見は少ない数に基づいている。
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