この研究は、Los Angeles郡における小児白血病の症例対照データを、住宅周辺の送配電線の配線構成から予測された居住環境磁界を用いて、再分析した。調査対象者の居住環境磁界の24時間平均は、物理学tに基づき24時間測定および配線データとフィッティングさせた回帰モデルを用いて予測された。その結果、磁界測定値は小児白血病と関連しなかったが、1.25 mGを上回る磁界予測値におけるリスクは有意(オッズ比= 2.00、95%信頼区間= 1.03-3.89)で、有意な量反応関係も見られた(傾向性の検定:P = 0.88);予測値と測定値を組み合わせたばく露指標を用いた場合、オッズ比(=2.19、95%信頼区間=1.12-4.31)傾向性(p =.007)ともいくらか有意性が高まった、と報告している。
子どもの主な住居は、カリフォルニア州南部にあり、病因期間(即ち、症例の妊娠から診断の0-2年前)の最も長い間に子どもが住んでいた住居と定義した。病因期間の少なくとも40%にわたって単一の住居に居住していなかったが、少なくとも25%にわたって住んでいた住居が二つある場合、両者を主な住居とした。症例164人及び対照144人の主な住居315軒について、測定を実施した。709軒の住居について、近傍の送配電線に関する完全な情報を有する地図を取得した。界の測定値及び予測値は、50、75、及び90パーセンタイルで分類した。
グループ | 説明 |
---|---|
集団 1 | 24時間の幾何平均測定値、主な測定:50-74 %パーセンタイル |
集団 2 | 24時間の幾何平均測定値、主な測定:75-89 %パーセンタイル |
集団 3 | 24時間の幾何平均測定値、主な測定:90-100 %パーセンタイル |
集団 4 | 24時間の幾何平均測定値、測定誤差について調整、主な測定:50-74 %パーセンタイル |
集団 5 | 24時間の幾何平均測定値、測定誤差について調整、主な測定:75-89 %パーセンタイル |
集団 6 | 24時間の幾何平均測定値、測定誤差について調整、主な測定:90-100 %パーセンタイル |
集団 7 | Wertheimer-Leeperのコード、測定した主な住居:一般に低い(OLCC) |
集団 8 | Wertheimer-Leeperのコード、測定した主な住居:一般に高い(OHCC) |
集団 9 | Wertheimer-Leeperのコード、測定した主な住居:非常に高い(VHCC) |
集団 10 | Wertheimer-Leeperのコード、全ての主な住居:一般に低い(OLCC) |
集団 11 | Wertheimer-Leeperのコード、全ての主な住居:一般に高い(OHCC) |
集団 12 | Wertheimer-Leeperのコード、全ての主な住居:非常に高い(VHCC) |
集団 13 | 予測した界、測定した主な住居:50-74 %パーセンタイル |
集団 14 | 予測した界、測定した主な住居:75-89 %パーセンタイル |
集団 15 | 予測した界、測定した主な住居:90-100 %パーセンタイル |
集団 16 | 予測した界、全ての主な住居:50-74 %パーセンタイル |
集団 17 | 予測した界、全ての主な住居:75-89 %パーセンタイル |
集団 18 | 予測した界、全ての主な住居:90-100 %パーセンタイル |
集団 19 | 予測した界、マップした全ての住居:50-74 %パーセンタイル |
集団 20 | 予測した界、マップした全ての住居:75-89 %パーセンタイル |
集団 21 | 予測した界、マップした全ての住居:90-100 %パーセンタイル |
集団 22 | 予測した界、全ての住居:50-74 %パーセンタイル |
集団 23 | 予測した界、全ての住居:75-89 %パーセンタイル |
集団 24 | 予測した界、全ての住居:90-100 %パーセンタイル |
集団 25 | 測定値及び予測値の組合せ:測定した主な住居:50-74 %パーセンタイル |
集団 26 | 測定値及び予測値の組合せ:測定した主な住居:75-89 %パーセンタイル |
集団 27 | 測定値及び予測値の組合せ:測定した主な住居:90-100 %パーセンタイル |
集団 28 | 測定値及び予測値の組合せ:全ての主な住居:50-74 %パーセンタイル |
集団 29 | 測定値及び予測値の組合せ:全ての主な住居:75-89 %パーセンタイル |
集団 30 | 測定値及び予測値の組合せ:全ての主な住居:90-100 %パーセンタイル |
集団 31 | 測定値及び予測値の組合せ:マップした全ての住居:50-74 %パーセンタイル |
集団 32 | 測定値及び予測値の組合せ:マップした全ての住居:75-89 %パーセンタイル |
集団 33 | 測定値及び予測値の組合せ:マップした全ての住居:90-100 %パーセンタイル |
集団 34 | 測定値及び予測値の組合せ:全ての住居:50-74 %パーセンタイル |
集団 35 | 測定値及び予測値の組合せ:全ての住居:75-89 %パーセンタイル |
集団 36 | 測定値及び予測値の組合せ:全ての住居:90-100 %パーセンタイル |
症例 | 対照 | |
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適格者 | 331 | 257 |
参加者 | 232 | 232 |
磁界測定値と小児白血病との関連は認められなかったが、0.125µT超の磁界予測値についてはリスクは有意で(グループ24:OR 2.0、CI 1.03-3.89、症例及び対照の数の記述なし)、有意な量‐反応関係が認められた(傾向性のP=0.02)。予測値と測定値を組合せ、誤差を補正してばく露評価を実施した場合、オッズ比は若干大きな有意性を示した(グループ36:OR 2.19、CI 1.12-4.31)。
これらの知見は、仮説を支持している。電力線からの磁界は小児白血病と因果的に関連しているが、ばく露評価における異なる種類の誤差のため、この関連は疫学研究間で一貫していない。
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