この研究は、ニトロ尿素誘導体によってB細胞急性リンパ芽球性白血病を化学的誘発されたラットモデルを用いて、白血病発症における超低周波磁界(ELF-MF)の共イニシェート作用または共プロモート作用を調べた。化学的処理の開始時点から動物はELF-MF(100 μT、正弦波50 Hz MF;高調波を含めた場合と含めない場合を試験した)のばく露を与えられた。実験は280匹のラットで行われた。体重と生存時間、骨髄芽球細胞の割合、白血病の累積発生率と白血病のタイプを、非ばく露群、50 Hz MF(高調波あり)ばく露群、50 Hz MF(高調波なし)ばく露群で比較した。その結果、影響評価パラメータのいずれについても、ばく露群と非ばく露群の間に有意差はなかった;この白血病モデルにガンマ線照射処置を行なった後、白血病タイプに有意な変化が見られたことは、このモデルの物理的因子に対する感受性を示すと考えられる;これらの知見は、高調波の有無にかかわらず、ELF-MFが小児のB急性リンパ芽球性白血病の発症に影響を与えるという仮説を支持しなかった、と報告している。
280匹の雄ラットにB細胞急性リンパ芽球性白血病を化学的に(ニトロソウレアで)誘導した。動物を4つの再現実験で、国際ガイドラインで推奨されている一般公衆に対する制限値である100µTの50Hz磁界(高調波あり/なし)にばく露した。異なる実験群を調べた:1) 白血病を誘導したラット、ばく露なし;2) 白血病を誘導したラット、ばく露あり;3) 白血病を誘導したラット、ばく露+高調波あり;4) 陰性対照(白血病を誘導せず、ばく露なし)。別の160匹を陽性対照とし、一部をガンマ線で前処理した。
animals were treated in four groups: i) rats treated with BNU, no EMF exposure ii) rats treated with BNU + exposure to 50 Hz EMF iii) rats treated with BNU + exposure to 50 Hz EMF with harmonics superimposed iv) control = no treatment
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | rectangular Helmholtz coils 60 cm x 40 cm; cages placed inside the coils |
この結果、測定したいずれのパラメータについても、ばく露ラットと非ばく露ラットに有意差は示されなかった。白血病モデルに対するガンマ線照射後の白血病のタイプの有意な変化は、物理的因子に対するこのモデルの感受性を示した。
この結果は、高調波あり/なしの超低周波電磁界はB細胞急性リンパ芽球性白血病の発生に影響する、という仮説を支持するものではない。
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