この研究は、携帯電話使用と頭蓋内神経系腫瘍の関連を調べる目的で、1994年から1998年において、米国アリゾナ州フェニックス、ボストン、ピッツバーグの病院で実施された症例対照研究である。組織学的に確認された症例は、神経膠腫489人、髄膜腫197人、聴神経鞘腫96人の合計782人であった。対照799人は、これらの症例と同じ病院の入院患者であった。携帯電話の使用経験なし、またはごくまれに使用した人を参照群とした。その結果、携帯電話の累積使用時間100時間以上の使用者群の相対リスクは、神経膠腫で0.9(95%信頼区間、0.5〜1.6)、髄膜腫で0.7(同、0.3〜1.7)、聴神経腫で1.4(同、0.6〜3.5)、すべての種類の腫瘍を合わせた場合で1.0(同、0.6〜1.5)であった;携帯電話使用時間が1日60分間以上の使用者群、または規則的使用年数が5年以上の使用者群におけるリスク上昇の証拠はなかった;腫瘍が電話使用頭側に偏って多く発生することはなかった、と報告している。
研究方法についてのより詳細な情報は、publication 8978 で得られる。
携帯電話の定常的使用は、週に二回以上の通話と定義した。携帯電話を生涯に五回未満しか使用したことがない、または定常的に(少なくとも週に2回)使用したことがない人々は、「使用したことがない、または稀に使用」のカテゴリーに分類した。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | ハンドヘルド型携帯電話使用:なし |
集団 2 | ハンドヘルド型携帯電話使用:生涯で1-5回 |
集団 3 | ハンドヘルド型携帯電話使用:生涯で> 5回 |
集団 4 | ハンドヘルド型携帯電話使用:定常的使用 |
参照集団 5 | 平均的な一日の使用:全く、またはほとんど使用せず |
集団 6 | 平均的な一日の使用:< 3分 |
集団 7 | 平均的な一日の使用:3から< 15分 |
集団 8 | 平均的な一日の使用:≥ 15分 |
集団 9 | 平均的な一日の使用:≥ 60分 |
参照集団 10 | 定常的使用の期間:全く、またはほとんど使用せず |
集団 11 | 定常的使用の期間:< 0.5年 |
集団 12 | 定常的使用の期間:0.5から< 3.0年 |
集団 13 | 定常的使用の期間:≥ 3.0年 |
集団 14 | 定常的使用の期間:≥ 5.0年 |
参照集団 15 | 累積使用:全く、またはほとんど使用せず |
集団 16 | 累積使用:< 13時間 |
集団 17 | 累積使用:13から100時間 |
集団 18 | 累積使用:> 100時間 |
集団 19 | 累積使用:> 500時間 |
参照集団 20 | 使用開始年:全く、またはほとんど使用せず |
集団 21 | 使用開始年:1995-1998年 |
集団 22 | 使用開始年:1993または1994年 |
集団 23 | 使用開始年:≤ 1992年 |
集団 24 | 使用開始年:< 1990年 |
症例 | 対照 | |
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参加者 | 782 | 799 |
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