【背景】携帯電話使用の飛躍的増加は、悪影響の可能性、特に脳腫瘍の発症についての懸念を引き起こした。我々は、脳腫瘍発症のリスクに対する携帯電話使用の影響を研究するためにメタ分析を行った。【方法】携帯電話使用と脳腫瘍に関する症例対照研究を探すために、MEDLINEを使って文献を検索した。全体的影響のオッズ比(ORs)、および特定の脳腫瘍、長期間使用およびアナログ/デジタル電話に関連した層別ORsが、オリジナルデータを使って各研究について算出された。次に、各ORの統合推定量がランダム効果モデルを用いて算出された。【結果】9つの症例対照研究が含まれ、その結果、原発性脳腫瘍5259症例および対照12074が取り込まれた。すべての研究は、脳腫瘍サブタイプについてのORを報告しており、5つの研究は、10年以上の追跡調査をした患者についてのORも報告していた。オッズ比を報告した。プール分析の結果、携帯電話使用と脳腫瘍発症に関する全体的ORは0.90(95%信頼区間0.81-0.99)であった。10年以上の長期間使用者(5つの研究)の統合ORは1.25(95%信頼区間1.01-1.54)であった。アナログおよびデジタル携帯電話使用者において、リスク上昇は観察されなかった。【結論】携帯電話使用者の間での脳腫瘍の全体的リスク上昇は見られなかった。携帯電話の長期間使用後の脳腫瘍のリスク上昇の可能性については、将来の研究での確認が待たれる。
携帯電話使用の影響と脳腫瘍のリスクを調査するため、米国においてメタ分析を実施した。2000-2006年に発表された以下の9つの研究を含めた:
Auvinen他、2002、Christensen他、2005、Hepworth他、2005、Inskip他、2001、Lönn他、2004、Lönn他、2005、Muscat他、2000、Schoemaker他、2005、及びSchüz他、2006。
以下のクライテリアを全て満たす研究のみをメタ分析に含めた:1) 英語で発表、2) 症例対照研究デザイン、3) 生のオッズ比を導出し得る十分なデータ、4) 携帯電話へのばく露が明確に定義されている。
携帯電話の定常的使用は、6か月以上にわたって少なくとも週1回通話、または携帯電話サービスに加入と定義した。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | 非ばく露 |
集団 2 | 定常的な携帯電話使用 |
集団 3 | 定常的な携帯電話使用:≥ 10年 |
集団 4 | 定常的な携帯電話使用:アナログ |
集団 5 | 定常的な携帯電話使用:デジタル |
タイプ | 値 |
---|---|
合計 | 5,259 |
携帯電話使用に関連した脳腫瘍の全体的なリスク上昇は認められなかった。ばく露が10年以上の患者について、僅かなリスク上昇(OR 1.25;CI:1.01-1.54)が認められた。アナログまたはデジタル携帯電話ユーザーにリスク上昇は認められなかった。
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