この研究は、携帯電話使用と神経膠腫および髄膜腫の発症リスクの関連を調べる目的で、ドイツの3つの地域で実施された人口ベースの症例対照研究である。2000〜2003年に確認された30〜69歳の患者における神経膠腫と髄膜腫のすべての新規症例(神経膠腫366、髄膜腫381)、および各症例と年齢、性別、および地域をマッチさせて人口統計から無作為抽出された対照1494にインタビューが実施された。その結果、全体的な携帯電話使用は、脳腫瘍のリスクと関連しなかった;それぞれのオッズ比は、神経膠腫で0.98(95 %信頼区間(CI):0.74-1.29)、髄膜腫で0.84(95 %CI:0.62-1.13)であった;10年以上携帯電話を使用した人におけるオッズ比は、神経膠腫で2.20(95 %CI:0.94-5.11)、髄膜腫で1.09(95 %CI:0.35-3.37)であった;携帯電話ユーザにおいて、非ユーザと比較して、側頭部の神経膠腫(p = 0.41)または髄膜腫(p = 0.43)の過剰は観察されなかった;コードレス電話の使用は、神経膠腫リスクまたは髄膜腫リスクのいずれとも関連しなかった、と報告している。
本研究はインターフォン研究の一部である。
携帯電話の定常的使用は、6か月以上にわたって少なくとも週1回の発信または着信通話と定義した。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | 定常的な携帯電話使用:なし |
集団 2 | 定常的な携帯電話使用:あり |
集団 3 | 最初の定常的使用からの期間:なし、< 1 年 |
集団 4 | 最初の定常的使用からの期間:1-4年 |
集団 5 | 最初の定常的使用からの期間:≥ 5年 |
集団 6 | 最初の定常的使用からの期間:5-9年 |
集団 7 | 最初の定常的使用からの期間:≥ 10年 |
参照集団 8 | 生涯の通話件数:使用歴なし |
集団 9 | 生涯の通話件数:≤ 1176 |
集団 10 | 生涯の通話件数:> 1176 ≤ 4350 |
集団 11 | 生涯の通話件数:> 4350 |
参照集団 12 | 生涯の通話時間:使用歴なし |
集団 13 | 生涯の通話時間:≤ 44 |
集団 14 | 生涯の通話時間:> 44 ≤ 195 |
集団 15 | 生涯の通話時間:> 195 |
参照集団 16 | 使用の強度:なし |
集団 17 | 使用の強度:< 30 分/日 |
集団 18 | 使用の強度:≥ 30 分/日 |
参照集団 19 | 参照日の ≥ 5年前の通話期間:なし |
集団 20 | 参照日の ≥ 5年前の通話期間:< 5 年 |
集団 21 | 参照日の ≥ 5年前の通話期間:≥ 5 年、≤ 34.5 時間 |
集団 22 | 参照日の ≥ 5年前の通話期間:≥ 5 年、> 34.5 時間 |
参照集団 23 | コードレス電話使用:なし |
集団 24 | コードレス電話使用:あり(自宅または職場) |
集団 25 | コードレス電話使用:あり、職場のみ |
集団 26 | コードレス電話使用:あり、自宅のみ |
集団 27 | コードレス電話使用:あり、自宅及び職場 |
参照集団 28 | 最初のコードレス電話使用からの期間:使用歴なし、または < 5 年 |
集団 29 | 最初のコードレス電話使用からの期間:1-4 年 |
集団 30 | 最初のコードレス電話使用からの期間:≥ 5 年 |
参照集団 31 | 最初の使用(コードレス及び/または携帯電話)からの期間:使用歴なし、または < 1 年 |
集団 32 | 最初の使用(コードレス及び/または携帯電話)からの期間:1-4 年 |
集団 33 | 最初の使用(コードレス及び/または携帯電話)からの期間:≥ 5 年 |
症例 | 対照 | |
---|---|---|
適格者 | 891 | 2,449 |
参加者 | 747 | 1,535 |
参加率 | 84 % | 63 % |
結果は、携帯電話の定常的ユーザーにおける神経膠腫または髄膜腫の全体的なリスク上昇を示さなかった。携帯電話を10年以上使用していた人々に神経膠腫のリスク上昇が認められたが、これは少ない数に基づいていた。コードレス電話使用と神経膠腫または髄膜腫のリスクとの関連は認められなかった。高グレードの神経膠腫のリスク上昇が女性で認められたが、これは偶然の知見かも知れない。
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