この研究は、携帯電話およびコードレス電話の使用と悪性脳腫瘍のリスクとの関連を調べた症例対照研究である。症例は、1997年1月1日から2000年6月30日までに診断された男女の20-80歳の悪性脳腫瘍患者649人である。全患者が調査時点で生存していた。対照は、各症例と1:1でマッチさせて、スウェーデンの人口登録簿から選出された。調査地域は、スウェーデンのウプサラ・オレブロ、ストックホルム、リンシェーピング、ヨーテボリの医療地域である。ばく露評価は、質問票調査に拠った(回答率は、症例588人(91%)、対照581人(90%))。電話の使用は、「ever use」(使用経験あり)と定義し、診断前1年以内の使用開始は、使用から除外した。その結果、全体として、リスクの大幅な増加は見られなかった;アナログ携帯電話のオッズ比(OR)= 1.13、95%信頼区間(CI)= 0.82-1.57、デジタル携帯電話OR = 1.13、CI = 0.86-1.48、およびコードレス電話OR = 1.13、CI = 0.85-1.50であった;同側使用に関しては、アナログ携帯電話で、すべての悪性脳腫瘍のOR = 1.85、CI = 1.16-2.96、星状細胞腫のOR = 1.95、CI = 1.12-3.39であった;同側使用のデジタル携帯電話では、すべての悪性脳腫瘍のOR = 1.59、CI = 1.05-2.41、コードレス電話では、同OR = 1.46、CI = 0.96-2.23であった、と報告している。[JEIC注記:この著者は、この研究(FEMU ID:9361)と同じ調査データを用いたと思われる分析結果を他にも報告している(例えばFEMU ID:9105および9520)。]
更に、同じ症例対照研究(publication 9105)のデータベースについての追加的な分析が、publications 9520 、11953 及び 12393 にある。診断前の1年以内に携帯電話またはコードレス電話の使用を開始した被験者は非ばく露と分類した。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | 非ばく露 |
集団 2 | アナログ、450MHz、あり、同側 |
集団 3 | アナログ、450MHz、あり、反対側 |
集団 4 | アナログ、450MHz、あり、同側/反対側で変化 |
集団 5 | アナログ、450MHz、あり、全て |
集団 6 | アナログ、900MHz、あり、同側 |
集団 7 | アナログ、900MHz、あり、反対側 |
集団 8 | アナログ、900MHz、あり、同側/反対側で変化 |
集団 9 | アナログ、900MHz、あり、全て |
集団 10 | アナログ、450 + 900MHz、あり、同側 |
集団 11 | アナログ、450 + 900MHz、あり、反対側 |
集団 12 | アナログ、450 + 900MHz、あり、同側/反対側で変化 |
集団 13 | アナログ、450 + 900MHz、あり、全て |
集団 14 | デジタル、合計、同側 |
集団 15 | デジタル、合計、反対側 |
集団 16 | デジタル、合計、同側/反対側で変化 |
集団 17 | デジタル、合計、全て |
集団 18 | コードレス、合計、同側 |
集団 19 | コードレス、合計、反対側 |
集団 20 | コードレス、合計、同側/反対側で変化 |
集団 21 | コードレス、合計、全て |
症例 | 対照 | |
---|---|---|
適格者 | 1,111 | - |
参加者 | 649 | 649 |
参加率 | 91 % | 90 % |
評価可能 | 588 | 581 |
症例の18.7%、対照の18.2%がアナログ携帯電話使用、症例の34.7%、対照の33.0%がデジタル携帯電話使用、症例の30.4%、対照の26.5%がコードレス電話使用を報告した。
全体として、統計的に有意な有意な悪性脳腫瘍のリスク上昇と携帯電話及びコードレス電話使用との関連は認められなかった。アナログ携帯電話の同側使用について、全ての悪性脳腫瘍、ならびに星状細胞腫の有意なリスク上昇が認められた。
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