この研究は、頭蓋内腫瘍リスクに対する携帯電話使用の影響に関する疫学的証拠をメタ分析により要約した。携帯電話の使用と頭蓋内腫瘍に関する公表論文報告を探索し、全部で12件の公表物が特定された。研究間の異質性の存在に応じて、固定効果分析または変量効果分析を実施した。その結果、12件の報告をプールした症例数は2780人であった;携帯電話を最長期間(ほとんどの報告で、最長期間 > 5年と設定)使用した人におけるプールされたオッズ比(OR)は、すべての頭蓋内腫瘍を統合した場合、0.98 (95 %信頼区間(95 %CI)0.83-1.16)であった;同様に、神経膠腫のプールされたORは0.96(95 %CI 0.78-1.18)、髄膜腫では0.87(95 %CI 0.72-1.05)、聴神経腫では1.07(95 %CI 0.89-1.30)であった;使用した電話機のタイプ(アナログまたはデジタル電話)、あるいは腫瘍の位置(側頭腫瘍または後頭腫瘍)によるリスク上昇の兆候はほとんどなかった;これら証拠の全体は、少なくとも5年間の携帯電話使用による頭蓋内腫瘍のリスクの実質的な上昇を示していない、と報告している。
携帯電話使用に関連した頭蓋内腫瘍についてのリスクを評価するため、メタ分析を実施した。以下の12報の研究を盛り込んだ:
Hardell et al. (Sweden, 1999),
Muscat et al. (USA, 2000),
Inskip et al. (USA, 2001),
Johansen et al. (Denmark, 2001),
Auvinen et al. (Finland, 2002),
Hardell et al. (Sweden, 2002),
Muscat et al. (USA, 2002),
Lönn et al. (Sweden, 2005),
Christensen et al. (Denmark, 2005),
Schoemaker et al. (Nordic countries, 2005),
Hardell et al. (Sweden, 2005), and
Hardell et al. (Sweden, 2005).
11報が症例対照研究、1報がコホート研究(Johansen et al., 2001)であった。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | 非ばく露 |
集団 2 | 携帯電話使用:なし |
集団 3 | 携帯電話使用:少なくとも2-5年 |
タイプ | 値 |
---|---|
合計 | 2,870 |
748人の症例が携帯電話を少なくとも2-5年使用していた。
携帯電話使用に関連した、頭蓋内腫瘍全体についてのプール後のリスク上昇は認められなかった。このメタ分析の結果は、最大5年の携帯電話の使用は頭蓋内腫瘍のリスクを高めないことを示している。
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