この研究は、携帯電話の使用と聴神経腫リスクの関連を、共有プロトコルを用いて北欧4か国と英国の6つの集団で調査した症例対照研究である。聴神経腫症例678人および対照3553人から、個人インタビューによってデータが収集された。6つの調査集団をプールしたデータセットで分析を行った。その結果、通常の携帯電話使用に関連した聴覚神経腫のリスク上昇は見られなかった(オッズ比(OR)= 0.9、95 %信頼区間(CI):0.7-1.1);電話使用全体での分析またはアナログまたはデジタル電話の使用を別々に分析した場合でも、使用期間、生涯の累積使用時間または通話回数はリスクと関連しなかった;自己申告された電話使用の頭側と同側の腫瘍のリスクは、10年またはそれ以上の使用において上昇した(OR = 1.8、95 %CI:1.1-3.1);このような知見は、携帯電話の使用を開始してから最初の10年間に聴神経腫の実質的なリスクはないことを示しているが、より長期間の使用後のリスク上昇またはより長い潜伏期間を過ぎてからのリスク上昇は排除できない、と報告している。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | 使用歴なし、または非定常的に使用 |
集団 2 | 定常的に使用 |
集団 3 | 使用頻度不明 |
集団 4 | 最初の使用からの年数:1.5-4 |
集団 5 | 最初の使用からの年数:5-9 |
集団 6 | 最初の使用からの年数:≥10 |
集団 7 | 最初の使用からの年数:不明 |
集団 8 | 生涯の使用年数:0.5-4 |
集団 9 | 生涯の使用年数:5-9 |
集団 10 | 生涯の使用年数:≥ 10 |
集団 11 | 生涯の使用年数:不明 |
集団 12 | 累積通話件数:< 2149 |
集団 13 | 累積通話件数:2149-8000 |
集団 14 | 累積通話件数:> 8000 |
集団 15 | 累積通話件数:不明 |
集団 16 | 累積使用時間:< 116 |
集団 17 | 累積使用時間:116-534 |
集団 18 | 累積使用時間:> 534 |
集団 19 | 累積使用時間:不明 |
集団 20 | 最初の使用からの年数による累積使用時間:< 10 年 |
集団 21 | 最初の使用からの年数による累積使用時間:≥ 10 年(< 90 時間) |
集団 22 | 最初の使用からの年数による累積使用時間:≥ 10 年(≥ 90 時間) |
集団 23 | 最初の使用からの年数による累積使用時間:不明 |
集団 24 | アナログ電話使用 |
集団 25 | デジタル電話使用 |
集団 26 | 腫瘍の側性と電話使用が同側 |
集団 27 | 腫瘍の側性と電話使用が反対側 |
症例 | 対照 | |
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適格者 | 827 | 8,460 |
参加者 | 678 | 3,553 |
携帯電話の定常的使用に関連した聴神経鞘腫のリスク上昇はなかった。アナログとデジタル別では、使用期間、生涯の累積使用時間または通話件数とリスクとの関連は認められなかった。10年超の使用後のリスク上昇は排除できなかった。
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