【目的】携帯電話使用と中枢神経系(CNS)疾患リスクの関連の可能性を調査すること。【方法】携帯電話の最初の使用契約を1982-1995年に行った420095人の全国的コホートについて、2003年までCNS疾患の診断について病院受診を追跡調査した。標準化受診比(SHR)は、コホート内での受診数をデンマーク全人口内での期待数で割った求めた。【結果】それぞれのSHRは次のようであった。偏頭痛とめまいは10-20%上昇。筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、女性の癲癇は関連なし。痴呆症(アルツハイマー病、血管性およびその他の痴呆症)、パーキンソン氏病、男性の癲癇は30-40%低下。10年以上の契約者に限定した分析の結果、偏頭痛とめまいでは同じく上昇。アルツハイマー病、その他の痴呆症、男性の癲癇では同じく低下したが、その他のSHRはほぼ1であった。【結論】過剰リスクが観察された偏頭痛やめまいには一層の注意を払ってもよいであろう。健康者コホート効果、前駆症状による逆転した因果関係バイアスが働いて、痴呆症およびパーキンソン氏病との関連の可能性が検出できなかった可能性が残る。健康者コホート効果の係数を確認することは、これらの疾患の病因の解明のために関心がもたれる。
タイプ | 値 |
---|---|
合計 | 723,421 |
参加者 | 420,095 |
リスクにある400万人‐年
本研究の調査対象集団には、偏頭痛及び空間識失調について、標準化入院比の小さいが有意な上昇が認められたが、アルツハイマー病、認知症、パーキンソン病についての標準化入院比は統計的に有意に低下した。筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症及びてんかんについては関連は認められなかった。著者らは、偏頭痛及び空間識失調の過剰については更なる注目に値する、と結論付けた。
このウェブサイトはクッキー(Cookies)を使って、最善のブラウジングエクスペリエンスを提供しています。あなたがこのウェブサイトを継続して使用することで、私たちがクッキーを使用することを許可することになります。