この研究は、ラットに2年間の60Hz磁界(直線偏波、トランジェント無し)への全身ばく露を行い、慢性毒性および発がん性を評価した。 擬似ばく露対照群は 0 G(ガウス)に、3つのばく露群はそれぞれ、20mG、2G、10Gの磁束密度にばく露した。各群は、F344 / Nラットの雄100匹、雌100匹からなった。さらにもう一群(同じく、F344 / Nラットの雄100匹、雌100匹)は、10Gの断続的(1時間オン/ 1時間オフ)ばく露を受けた。その結果、2年間の実験中の死亡パターン、体重増加、および悪性腫瘍および良性腫瘍の総発生率とその数は、性別マッチングした擬似対照群のものと同様であった;20mGおよび2Gばく露群の雄ラットで見られた甲状腺のC細胞腺腫および甲状腺がんの併発発生率上昇は統計的に有意であった;これらの上昇は、10Gへの慢性および断続的ばく露の雄ラットおよび全てのレベルのばく露群の雌ラットでは見られなかった;疫学研究において磁界作用の標的として可能性が指摘されていがん(白血病、乳がん、脳腫瘍)の発生率上昇は、どのばく露群においても見られなかった;10 Gへの断続的ばく露群の雄ラットでは白血病の減少が見られた;全体としては、今回実験した慢性ばく露は、F344 / Nラットのがん発症にほとんどまたは全く影響しないことが示されたと解釈できる、と報告している。
合計で200匹ずつの雌雄のラットを調べた。
周波数 | 60 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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偏波 |
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ばく露時間 | 18.5 h/day for 2 years (1h on /1h off) |
Modulation type | CW |
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ばく露の発生源/構造 |
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20mG及び2Gの磁界に慢性ばく露された雄のラットでは、甲状腺のC細胞線腫及びがん腫の発生率の統計的に有意な上昇が認められたが、これらは最も低い磁束密度で、また雄のラットにのみ生じたことから、これらの結果は曖昧であると見なされた。
10Gの間欠的な磁界にばく露された雄のラットでは白血病が減少した。
まとめると、これらの結果は全体として、慢性的な磁界ばく露の発がんまたは毒性作用の明確な証拠を示すものではない。
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