この研究は、断続的な磁界(MF)が腫瘍促進因子として作用するか否かを調べるために、50Hz正弦波MF(磁束密度50μTおよび0.5mT)の連続ばく露および断続的ばく露(15秒でのON/OFF)を用いた長期皮膚発がん試験を行った。雌SENCARマウスを、50匹ずつの8群に分け、イニシェーション-プロモーションスキームにしたがって処置した。アセトンを溶媒とした7,12-ジメチルベンズアントラセン(DMBA)をイニシェータとして、発がん用量を超えない投与量で背側皮膚に処置した。イニシェータ処置の1週間後から、MFばく露(19〜21時間/日)を開始し、104週間継続した。ホルボールエステル12-O-テトラデカノイルホルボール-13-アセテート(TPA)を皮膚腫瘍促進活性の陽性対照として使用した。各群の2匹の動物に、2,6,12,18および21ヵ月時点での皮膚過形成分析を割り当てたほか、全ての動物を毎日観察した。皮膚病変および新生物の出現を注意深く追跡し、死亡時点で、出現したすべての新生物の組織病理学的診断を行った。実験は105週間で終了した。その結果、 DMBA単独処置群では、2匹の動物で合計で2個の皮膚腫瘍が生じた;アセトン単独処置群では1個の皮膚腫瘍がみられた;連続ばく露群では皮膚腫瘍が見られなかった;0.5mTの断続ばく露群では、5匹の動物で合計13個の皮膚腫瘍が生じた;50μTの断続ばく露群では、4匹の動物で合計4個の皮膚腫瘍が生じた;腫瘍発生動物数および合計腫瘍数を比べた場合、連続ばく露群と断続的ばく露群では有意差があった(P = 0.014)が、断続的ばく露群と DMBA単独処置群では有意な差はなかった;断続的ばく露において、腫瘍保有動物1匹当たりの皮膚腫瘍数は、磁束密度およびテスラ-時(Tesla-h)と統計的に有意なドース傾向性を示した(P = 0.045)、と報告している。
皮膚腫瘍の成長をイニシエートするため、マウスを単用量のDMBA(2.56µg、イニシエータとして皮膚に適用)で処理した。最初のTPA適用(2µg、皮膚腫瘍プロモーション活性の陽性対照として)を8日後に実施し、その後に磁界ばく露を週2回実施した。50Hz磁界ばく露は、磁束密度50µT及び0.5mTで、連続または間欠的に実施した。TPA適用及び磁界ばく露をそれぞれ26週間及び105週間続けた。
生存期間に有意差は認められなかった。間欠または連続のいずれも、磁界ばく露は表皮の厚さに影響しないようであった。偽ばく露対照群と比較して、皮膚腫瘍の発生は連続的な磁界ばく露によって変化しなかった。間欠ばく露群でも同様の結果が認められた。但し、プールした連続波ばく露群(0µT及び0.5mT)と間欠ばく露群との統計的有意差が認められた。
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