研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[SDラットの50Hz、100マイクロテスラの磁界への27週間ばく露は7,12ジメチルベンズ-アントラセン乳がんモデルにおける乳房腫瘍形成を促進する] med./bio.

Exposure of Sprague-Dawley rats to a 50-Hertz, 100-microTesla magnetic field for 27 weeks facilitates mammary tumorigenesis in the 7,12-dimethylbenz[a]-anthracene model of breast cancer

掲載誌: Cancer Res 1999; 59 (15): 3627-3633

この研究は、著者らの先行研究(W. Loscher et al., Cancer Lett., 71: 75-81, 1993; M. Mevissen et al., Carcinogenesis (Lond.), 17: 903-910, 1996)で報告した知見「低レベル(50または100μT)の50 Hz磁界MFばく露により、メスのSprague Dawleyラット乳がんの7,12-ジメチルベンズ[a]アントラセン(DMBA)モデルにおける乳腺腫瘍の発生および増殖促進する」、についてさらに検討した。今回の実験では、ばく露群(n = 99)と擬似ばく露群(n = 99)を用いた。先行研究と異なる実験条件は、低用量のDMBA(ラットあたり20 mgの代わりに10 mg)の使用、DMBA投与前のMFばく露(先行研究では事後ばく露のみ)、およびDMBA投与後のMFばく露期間延長(13週間の代わりに26週間)である。この3点が、腫瘍の発生と増殖に対するMFの効果を高めるか否かを調べた。その結果、乳房腫瘍の発生および増殖は、MFばく露によって有意に増強された;腫瘍発生率に対する最も顕著な効果(擬似ばく露群190%高い)は、DMBA投与の13週間後に観察された;剖検時、すなわちDMBA投与の26週間後、組織学的に確認された乳腺腫瘍発生率は、擬似ばく露群で50.5%、MFばく露群で64.7%であり、その差は統有意であった、などを報告している。

研究目的(著者による)

DMBAで誘発させたラット腫瘍の成長に対する27週間の磁界ばく露の影響を調査すること。

詳細情報

1週間の磁界ばく露または偽ばく露後、ラット1匹当たり10mgのDMBAを投与し、ばく露または偽ばく露を26週間続けた。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
Modulation type: CW
ばく露時間: 24 h/day, 7 days/week, for 27 weeks

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
偏波
  • linear
ばく露時間 24 h/day, 7 days/week, for 27 weeks
Additional information horizontal
Modulation
Modulation type CW
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
チャンバの詳細 exposure chambersa, 9 rats/cage
ばく露装置の詳細 Mf horizontal and parallel to horizontal component of the earth's MF
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 100 µT effective value - - -
電界強度 60 V/m maximum 備考を参照のこと。 - 20-60 V/m

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
  • 乳房
調査の時期:
  • ばく露中
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

磁界ばく露触診で検査した腫瘍の成長と増殖を有意に強めた。組織学的に検証された乳腺腫瘍発生率は、偽ばく露群よりもばく露群で統計的に有意に高かった。

研究の種別:

研究助成

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