この研究は、メスのラットを用いた実験で、磁界(MF)ばく露によるメラトニン抑制と7,12-ジメチルベンズ[a]アントラセン(DMBA)誘発性乳がん増殖との間の関連を調べた。216匹のメスのSprague-Dawleyラットを4つの群に分けた。 2群(各99匹)は、DMBAの経口投与後、50 Hz、100 mG(10 μT)のMFに24時間/日、7日/週で、91日間のばく露(または擬似ばく露)を受けた。他の2群(各9匹)は、DMBA処理なしで、同様のMFばく露(または擬似ばく露)を受けた。動物を週に1回触診して乳房腫瘍の発生を評価した。ばく露期間の終わりに、全ての動物を屠殺し、剖検および松果体および血清中の夜間メラトニンレベルの測定をした。別の対照動物において、DMBAは最初の投与後3カ月以内に約55%に触知可能な腫瘍を誘導することを確認した。結果として、MFばく露群では、ばく露期間を通じて腫瘍発生率が上昇する傾向が見られたが、これは統計的に有意ではなかった;剖検時に、擬似ばく露群で60.6%、MFばく露群で66.6%が、肉眼で見える乳房腫瘍を発症していた;腫瘍サイズと腫瘍量は両群で同じであった;DMBA無処置群との比較において、DMBA処置群では、夜間松果体メラトニンレベルが有意に低く、これにはMFばく露による差はなかった;一方、MFばく露群の方が、擬似ばく露群より、血清中の夜間メラトニンレベルが有意に低かった、と報告している。
本研究では合計216匹のラットを用いて、4群に分けた:グループA) 99匹、DMBA処理、磁界ばく露。グループB) 99匹、DMBA処理、磁界偽ばく露。グループC) 9匹、DMBA非処理、磁界ばく露。グループD) 9匹、DMBA非処理、磁界偽ばく露。
ばく露の前に最初のDMBA(ラット1匹当たり5mg)を適用し、総量がラット1匹当たり20mgになるまで1週間隔で更に3回適用した。
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | 24 h/day, 7 days/week for 91 days |
ばく露の発生源/構造 |
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ばく露装置の詳細 | 4 Merritt coils, 26 and 11 turns on outer and inner coils, copper wire gauge 1.5 m² |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
磁界ばく露されたラットに統計的に有意な腫瘍発生率の増加傾向は認められなかった。腫瘍の大きさは磁界ばく露群と偽ばく露群で同等であった。DMBA処理群では非処理群と比較して、夜間の松果体メラトニンレベルが有意に低かった。また、磁界ばく露群では偽ばく露群と比較して、夜間の血中メラトニンレベルが有意に低かった。このデータは、磁界ばく露によって生じたメラトニンレベルの有意な低下は、DMBAで誘発させた乳腺腫瘍の成長と増殖への有意な影響と関連していないことを示すものである。
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