研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[ジメチルベンズ(a)アントラセンによりマウスに誘発した胸腺リンパ腫/白血病に対する50 Hz磁界ばく露の影響] med./bio.

The effects of 50 Hz magnetic field exposure on dimethylbenz(alpha)anthracene induced thymic lymphoma/leukemia in mice

掲載誌: Bioelectromagnetics 1997; 18 (5): 360-364

この研究は、白血病発生に対するELF磁界の効果を評価する実験を行なった。出生後24時間以内に、新生仔マウスの肩甲骨間領域に皮下注射されたジメチルベンズ(a)アントラセン(DMBA)によって胸腺リンパ腫/白血病誘導された実験動物モデルを使用した。第2週齢から165匹のマウスに、1mT、3時間/日、6日/週、16週間の磁界ばく露を実施した。同じ処置をされた155匹のマウスに、同じスケジュール擬似ばく露を実施した。32週の時点で生存している全ての動物を屠殺し、病理学的に検査した。その結果、リンパ腫白血病を合併した進行胸腺リンパ腫発生率は、それぞれ21.8%および23.9%であり、両群に統計的に有意差はなかった;ただし、ばく露群では、肝臓へのリンパ腫細胞の高密度転移が高率(50%)で見られ、対照群では16.2%であった(χ2 = 9.847、P <0.01)、と報告している。

研究目的(著者による)

磁界ばく露ジメチルベンズ(a)アントラセン(DMBA)で処理したマウスにおいてリンパ腫及び白血病の成長に及ぼす影響を調査すること。

詳細情報

腫瘍の成長のイニシエーションのため、新生マウスを単用量の発がん化学剤DMBA(35µg、皮下注射)で処理した。2週後、磁界ばく露(50Hz、1mT、3時間/日、6日/週、16週間)を開始した。32週齢の時点で検査のため動物を屠殺した。DMBA処理+偽ばく露の群を対照とした。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: 3 h/day, 6 days/week for 16 weeks

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 3 h/day, 6 days/week for 16 weeks
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 3 pairs of Helmholtz coils
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1 mT - 測定値 - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

リンパ腫及び白血病発生率磁界ばく露+DMBA処理群と偽ばく露+DMBA処理群で変わらなかった。但し、リンパ腫細胞による肝臓への転移浸潤は、磁界ばく露+DMBA処理群で有意に増加した(50%)。

研究の種別:

研究助成

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