この研究は、50または60Hz磁界ばく露が、ラットの乳がんをイニシェート、プロモート、またはコプロモートできるか否かを実験的に調べた。216匹の雌のSprague-Dawleyラットを4つの群に分けた。これらの群のうち2群(それぞれ99匹)は、7,12-ジメチルベンズアントラセン(DMBA)の経口投与後に、磁界のばく露(または擬似ばく露)を受けた。ばく露した磁界は、50 Hz、100 µTで、 24 時間/日、 7日/週、91日間継続した。.他の2群(それぞれ9匹)は、DMBA処置なしで、同様の磁界ばく露または擬似ばく露を受けた。全てのばく露終了後に剖検して、病理組織学的診断を行った。その結果、剖検時の肉眼的観察では、DMBA処理+磁界ばく露群の方がDMBA処理+磁界ばく露無しの対照群よりも乳がん病巣の数が多く、腫瘍サイズも大きかった;乳腺の組織病理学的検査では、新生物病変および非新生物病変の数に、両群で有意差がなかった;このことは、磁界ばく露は乳房病変の発生率を変えず、腫瘍成長の加速のみを引き起こすことを示唆する(これは、コプロモート効果と一貫性がある); 磁界ばく露群では、対照群に比べ、悪性乳がんを呈したラットの数が有意に多かった(これは、磁界ばく露がDMBA誘発性病変のプログレッションに影響したことを示唆する); DMBA誘発による乳がんまたはその他の臓器原発巣からの転移の数に磁界ばく露の影響は見られなかった;DMBA処置無しのラットでは、非新生物性または新生物性病変は検出されなかった、と報告している。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
50–60 Hz
ばく露時間:
24 h/day, 7 days/week for 91 days
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Animals were treated in 4 groups: i) application of dimethylbenz[a]anthracene + EMF exposure ii) application of dimethylbenz[a]anthracen, no EMF exposure iii) EMF exposure iv) neither application of dimethylbenz[a]anthracen nor EMF exposure
周波数 | 50–60 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | 24 h/day, 7 days/week for 91 days |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | four 1.0 m square coils with 11 turns of 1.5 mm² copper wire on the innner coil and 26 turns of this wire on the outer coil |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 100 µT | - | 測定値 | - | - |
本研究では合計216匹のラットを用いて、これを4群に分けた:グループA) 99匹、DMBA処理、磁界ばく露。グループB) 99匹、DMBA処理、磁界偽ばく露。グループC) 9匹、DMBA非処理、磁界ばく露。グループD) 9匹、DMBA非処理、磁界偽ばく露。
ばく露の前に最初のDMBA(ラット1匹当たり5mg)を適用し、ラット1匹当たり20mgになるまで、1週間隔で更に3回適用した。
91日間の磁界ばく露/偽ばく露後に組織病理学的検査を実施した。磁界ばく露、DMBA処理群では、DMBA非処理の対照と比較して、肉眼で見える乳腺腫瘍が有意に多かった。磁界ばく露群では腫瘍の大きさも有意に大きかった。腫瘍性及び非腫瘍性病変の数は両群で有意差はなかった。
磁界ばく露群では、乳腺腫瘍のある動物が有意に多かった。このデータは、DMBA処理した雌のラットの長期間の50Hz磁界ばく露は乳腺腫瘍の増殖と進行をプロモートすることを示しているが、腫瘍発生率には影響しなかった。
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