この研究は、F344ラットにおいてエチルニトロソウレア(ENU)の経胎盤投与によりイニシェートされた脳腫瘍に対し、60 Hz磁界がプロモータ作用を持つか否かを調べた。交配が済んだ120匹のメスのラットを無作為に6群に分け、妊娠18日目に子宮内に生理食塩水(グループI:対照群)またはENU 10 mg / kg(グループII〜VI)を単回、静脈内投与した。本実験には、予備実験の各グループから得られた子孫の合計480匹が用いられた。グループIの子孫は対照群、グループIIの子孫にはそれ以上の処置を行わなかった(ENU単独投与群)。グループIII-VIの子孫には4つの異なる磁界強度で磁界ばく露が行われた。すなわち、グループIIIには0 μTを与え、擬似ばく露対照群(T1)とし、グループIV〜VIにはそれぞれ、5 μT、83.3 μT、500 μTを与え、ばく露群(T2〜4)とした。ばく露は1日21時間で、4週齢から32週または42週齢まで継続した。その結果、病理組織学的検査では、ENUを投与された全てのグループで神経系腫瘍が見られた;32週目と42週目の剖検において、ENU群の腫瘍発生率は、対照群より高かった;42週目の剖検におけるグリア腫瘍の発生率は、32週目の剖検よりも高かった;ただし、ENU +擬似ばく露対照群(T1)とENU +磁界ばく露群(T2-T4)の間に腫瘍発生率の差はなかった、と報告している。
120匹の雄ラットを6群に分け、妊娠18日目に単回静脈内投与の生理食塩水(対照群、グループI)またはENU(10mg/kg、グループII-VI)に子宮内でばく露した。グループIIの合計480匹の仔にはそれ以降処理せず、グループIII-VIの仔は偽ばく露を含む4つの異なる強度の磁界にばく露した(4週齢から32または42週齢まで)。
animals were divided into 6 groups: i) exposure in utero on day 18 of gestation to a single, intravenouse dose of saline ii)exposure in utero on day 18 of gestation to a single, intravenouse dose of ENU 10 mg/kg iii) exposure in utero on day 18 of gestation to a single, intravenouse dose of ENU 10 mg/kg + sham EMF exposure iv) exposure in utero on day 18 of gestation to a single, intravenouse dose of ENU 10 mg/kg + exposure to 5 µT v) exposure in utero on day 18 of gestation to a single, intravenouse dose of ENU 10 mg/kg + exposure to 83.3 µT vi) exposure in utero on day 18 of gestation to a single, intravenouse dose of ENU 10 mg/kg + exposure to 500 µT
周波数 | 60 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | continuous for 21 h/day from the age of 4 weeks to the age of 32 weeks or 42 weeks |
Additional information | rotating magnetic field |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | four square coils |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
全てのENU処理群で神経原性腫瘍が認められた。32及び42週齢で剖検したENU群の腫瘍発生率は対照群よりも高かった。
但し、偽ばく露群とENU+磁界ばく露群との有意差はなかった。
結論として、磁界強度が最大500µTの60Hzへの仔のばく露が、ENUで誘導したラットの脳腫瘍をプロモートするという証拠はなかった。
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