<目的>B6C3F1マウスを用い60Hz直線磁界を2年間ばく露して磁界の毒性/発がん性を検討する。 <対象・方法>雌雄B6C3F1、6-7週齢マウス。各群100匹。実験室の平面図は図1。強さは0、20mG、2G、10G、18.5時間/日、7日/週、104週間連続および10G間欠(1時間on/1時間off)ばく露。死後すべてのマウスを剖検、43種の臓器を鏡検。 <結果>どのばく露群においても臨床的観察により肉眼的な異常は認められない。図2、3に体重曲線を示すが雌雄ともに差はない。生存率は雄で10G連続ばく露群で有意差がみられるが、それ以外(図4)及び雌ではそのような差はみられなかった(図5)。白血病、脳腫瘍、乳がんに関しては表Ⅰに示すようにばく露群で増加はみられず、むしろ間欠10G群で雌では有意にリンパ腫の低下がみられた。肺胞及び気管支の変化は表Ⅱに纏めてあるが、シャムコントロール群に比べて有意に低い発生率がばく露群のいくつかでみられるのに対し増加はみられない。他臓器の発生率については表Ⅲ、Ⅳに纏めてあるが、いづれもばく露群とコントロール群での差はみられない。 <結論>Yasui et al(1997), Mandeville et al(1997), Boorman et al(1999)等のラットの研究も考慮に入れると長期ばく露実験の結果は、磁界がヒトのがんの危険因子であるという仮説を支持しない。
全体で雌雄各200匹のマウスを調べた。
周波数 | 60 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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偏波 |
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ばく露時間 | 18.5 h/day, 7 days/week, for 104 weeks (1 h on /1 h off) |
Modulation type | CW |
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チャンバの詳細 | 5 identical animal exposure rooms, polycarbonate cages on fiberglass cage racks |
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ばく露装置の詳細 | cages rotated 2/week, racks rotated 1/week, experimental groups rotated 1/10 weeks |
10Gの磁界に連続ばく露された雄のマウスにおいて、僅かに統計的に有意な死亡率の上昇が認められた。磁界にばく露された他の全ての群における死亡率のパターンは、性別でマッチングした偽ばく露対照群と同等であった。
磁界ばく露はどの臓器でも新形成の発生率を高めなかった。
10Gの磁界に連続ばく露された雌のマウスにおいて、悪性リンパ腫の発生率の統計的に有意な低下が認められた。また、2Gの磁界に連続ばく露された雌雄のマウスにおいて、肺がんの発生率の統計的に有意な低下が認められた。
これらの結果は、純粋な、線形偏波された60Hz磁界による、マウスでの有意な発がんまたは毒性作用を何ら示していない。
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