研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[心臓及び肝臓組織でのフリーラジカルプロセス、天然の抗酸化系及び呼吸バースト系の活性に対する各種の超低周波磁界の影響] med./bio.

Effects of various extremely low frequency magnetic fields on the free radical processes, natural antioxidant system and respiratory burst system activities in the heart and liver tissues

掲載誌: Indian J Biochem Biophys 2008; 45 (5): 326-331

この研究は、超低周波(ELF)の磁界MF)のばく露を受けたモルモットの心臓および肝臓組織フリーラジカルレベル、自然の酸化システムおよび呼吸バーストシステム(食作用に伴い食細胞酸素取り込みを急上昇させる機構)の活動への影響を調べた。50 Hz磁束密度は1、2、3 mTのMFばく露を、1日4時間または8時間のばく露時間で5日間与えた。影響を評価するために、マロンジアルデヒドMDA)、一酸化窒素NO)、グルタチオンGSH)のレベルおよびミエロペルオキシダーゼ(MPO)活性を測定した。10-12週齢のオスのモルモット62匹を対照群と6つのばく露群に分けた。I群を対照群と、6つのばく露群の磁束密度ばく露時間の組み合わせは、II(1 mT、4時間/日)、III(1 mT、8時間/日)、IV(2 mT、4時間/日)、V(2 mT、8時間/日)、VI(3 mT、4時間/日)、VII(3 mT、8時間/日)である。その結果、MDAレベルは、IIおよびIV群の肝臓で上昇し、VII群の肝臓心臓の両方の組織で低下した;NOxレベルは、IIおよびIII群の心臓およびIII、V、VI群の肝臓で低下し、VII群の肝臓で上昇した;GSHレベルは、II、IV、V群の心臓およびV、VI、VII群の肝臓で上昇し、II、IV群の肝臓で低下した;MPO活性は、対照群と比較して、III、IV、VI、VII群の肝臓およびII、III、IV群の心臓で低下したが、VII群の心臓のMPO活性は有意に上昇した、と報告している。

研究目的(著者による)

モルモットの心臓及び肝臓組織におけるフリーラジカルのレベル、天然の抗酸化系及び呼吸バースト系の活性に対する、超低周波電磁界の影響を調べること。

詳細情報

雄のモルモット62匹を7群に分けた:グループI(対照群)、II(1mT、4時間/日)、III(1mT、8時間/日)、IV(2mT、4時間/日)、V(2mT、8時間/日)、VI(3mT、4時間/日)、VII(3mT、8時間/日)

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: 4 h/day or 8 h/day - for 5 days

General information

animals were treated in 7 groups: i) sham ii) 1 mT for 4 h/d iii) 1 mT for 8 h/d iv) 2 mT for 4 h/d v) 2 mT for 8 h/d vi) 3 mT for 4 h/d vii) 3 mT for 8 h/d

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 4 h/day or 8 h/day - for 5 days
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 vertical pairs of circular Helmholtz coils; animals kept in 26 cm x 22 cm x 10 cm polycarbonate cages positioned at the center of the coils
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1 mT - 測定値 - -
磁束密度 2 mT - 測定値 - -
磁束密度 3 mT - 測定値 - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

マロンジアルデヒドのレベルは、グループII及びIVの肝臓で上昇したが、グループVIIでは肝臓心臓組織の両方で低下した。一酸化窒素のレベルは、グループII及びIIIの心臓、ならびにグループIII、V、VIの肝臓で低下したが、グループVIIでは上昇した。グルタチオンのレベルは、グループII、IV、V、VIの心臓、ならびにグループVI及びVIIの肝臓で上昇したが、グループII及びIVの肝臓では低下した。

ミエロペルオキシダーゼ酵素活性は、対照群と比較して、グループIII、IV、VI、VIIの肝臓、ならびにグループII、III、IVの心臓組織で低下した;但し、グループVIIの心臓では有意に上昇した。

結論として、このデータは、1及び2mTでばく露時間が4時間の電磁界は、脂質過酸化の増強と、フリーラジカルスカベンジャーとして作用するグルタチオンのレベル低下によって酸化ストレスを生じることを示した。一酸化窒素のレベル及びミエロペルオキシダーゼ酵素活性は、3mT、8時間を除く全てのばく露群で低下した。

研究の種別:

研究助成

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