この研究は、50 Hz、12 kV / mの電界(E)へのばく露を受けたモルモットの肝臓組織における酸化ストレス、ニトロソ化ストレス、および抗酸化状態への影響を調べた。また、このような影響に対して、肝臓組織のN-アセチル-L-システイン(NAC)およびエピガロカテキン-ガレート(EGCG)が保護効果を持つか否かも調べた。NACおよびEGCGは腹腔内投与された。酸化ストレスおよびニトロソ化ストレスのバイオマーカとして、脂質過酸化(LPO)の産生物であるマロンジアルデヒド(MDA)および一酸化窒素誘導体(硝酸塩(NO3)、亜硝酸塩(NO2)、一酸化窒素の総レベル(NO(x))を推定した。さらに、肝臓組織における内因性抗酸化酵素としてスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、グルタチオンペルオキシダーゼ(GSH-Px)、およびミエロペルオキシダーゼ(MPO)を評価した。その結果、ばく露を受けたモルモットの肝臓組織において、酸化産生物(MDA、NO3、NO2、NO(x))レベルの有意な増加、および抗酸化酵素(SOD、GSH-Px、MPO)の活性の有意な低下が見られた;また、電界ばく露に先立ってNACおよびEGCGを個別投与または複合投与した場合、電界ばく露による酸化ストレスおよびニトロソ化ストレスが減弱した、と報告している。
モルモットの肝組織における酸化ストレス、ニトロソ化ストレスのパラメータ、及び抗酸化酵素活性に対する、超低周波電界の影響を調べること。本研究は、N-アセチル-L-システイン及びエピガロカテキン-3-ガレートの個別の及び複合的な適用が、超低周波電界の有害な影響を低減するかどうかにも対処した。
80匹の雄のモルモットを無作為に8群(各10匹)に分けた:
1) 偽ばく露群、2) N-アセチル-L-システイン群(NAC)、3) エピガロカテキン-3-ガレート群(EGCG)、4) NAC+EGCG群、5) 電界ばく露群、6) NAC+電界ばく露群、7) EGCG+電界ばく露群、8) NAC+EGCG+電界ばく露群。全てのばく露は7日間連続で、09:00に開始、17:00に終了した。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
50 Hz
ばく露時間:
8 h/d for 7 days
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animals were treated in the following groups: i) sham exposure ii) sham exposure + 30 mg/kg N-acetyl-L-cysteine (NAG) iii) sham + 25 mg/kg epigallocatechin-gallate (EGCG) iv) sham + NAG + EGCG v) exposure to electric field vi) exposure to electric field + NAC vii) exposure to electric field + EGCG viii) exposure to electric field + NAC + EGCG
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | 8 h/d for 7 days |
ばく露の発生源/構造 |
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Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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電界強度 | 12 kV/m | - | 測定値および計算値 | - | - |
結果は、酸化生成物のレベル(マロンジアルデヒド、硝酸塩、亜硝酸塩、一酸化窒素の合計レベル)の有意な上昇、ならびに抗酸化酵素活性(スーパーオキシドジスムターゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ、ミエロペルオキシダーゼ)の有意な低下を示した。電界ばく露前のN-アセチル-L-システイン及びエピガロカテキン-3-ガレートの個別または複合的な適用は、酸化ストレスの低減を生じた。
まとめると、これらの知見は、N-アセチル-L-システイン及びエピガロカテキン-3-ガレートには、超低周波電界による酸化及びニトロソ化ストレスに対する肝臓防護作用があるかも知れない、という示唆を支持している。
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