この研究は、ラットを用いた実験で、さまざまな強度の50Hz磁界ばく露が肝機能に与える影響を調べた。肝機能は、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アルカリホスファターゼ(ALP)、ビリルビン、アルブミン、タンパク質を評価した。加えて、肝臓組織の酸化状態への影響も分析した。平均体重140 – 160 gのオスのSparague-Dawelyラット80匹を5群に分けた(各n = 16)。すなわち、擬似ばく露対照群、ばく露レベルの異なる4つのばく露群(0.2、0.6、1.0、1.4 mT)である。それぞれのばく露は2時間/日で、ばく露期間は2週間であった。ばく露終了後に全ラットを屠殺し、血液サンプルを採取し、肝臓を摘出して、分析した。その結果、調査したすべての肝酵素の濃度が、磁界ばく露により有意に上昇した;ビリルビンとASTはどちらも、ばく露により90 %超上昇し、アルブミンおよびALTはそれぞれ、約11 %および22 %上昇した;磁界ばく露による肝臓の脂質過酸化の増加およびグルタチオン濃度の低下が有意であった;これらの知見は、グルタチオン(GSH / GSSG)およびニコチンアミドジヌクレオチド(NADH / NAD)の酸化還元電位が磁界ばく露の影響を受けることを示唆する、と報告している。
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | two h/day for one week |
ばく露の発生源/構造 | |
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チャンバの詳細 | rats housed four per cage with cages exposed in an area of a constant magnetic field |
ばく露装置の詳細 | two Helmholtz coils distant by 15 cm, each one with a diameter of 30 cm and 250 turns; diameter of coil wires 0.7mm |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 0.2 mT | - | 測定値 | - | group 2 |
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | two h/day for one week |
ばく露の発生源/構造 |
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測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 0.6 mT | - | 測定値 | - | group 3 |
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | two h/day for one week |
ばく露の発生源/構造 |
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測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 1 mT | - | 測定値 | - | group 4 |
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | two h/day for one week |
ばく露の発生源/構造 |
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測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 1.4 mT | - | 測定値 | - | group 5 |
グループ4及び5で調査した全ての肝臓の数値は、対照群(グループ1)と比較して有意に上昇していた。アラニンアミノトランスフェラーゼ及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼについては、有意に高い数値がグループ3(0.6mT)で既に測定できた。肝臓の脂質過酸化はグループ3、4及び5で有意に増加したが、これらのグループでは偽ばく露群と比較してグルタチオンのレベルは有意に減少し、このことは酸化ストレスを示している。
著者らは、強度が0.6mTからの50Hz磁界への全身ばく露にはラットの肝臓の数値及び酸化ストレスに対して有意な影響がある、と結論付けている。
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