研究のタイプ: レビュー (医学/生物学の研究)

[皮膚、血漿、脾臓、肺、腎臓、及び脳組織における、コラーゲン合成、フリーラジカルプロセス、天然の抗酸化系、呼吸バースト系、免疫系の活性、及び電解質に対するELF磁界のイン・ビボ影響] review

In vivo effects of ELF MFs on collagen synthesis, free radical processes, natural antioxidant system, respiratory burst system, immune system activities, and electrolytes in the skin, plasma, spleen, lung, kidney, and brain tissues

掲載誌: Electromagn Biol Med 2006; 25 (4): 291-305

この研究は、モルモットに50 Hz磁界ばく露磁束密度1、2、3 mTの3レベル;ばく露時間は4時間または8時間/日で5日連続)を与え、皮膚免疫系、電解質濃度への影響を調べた。またマウスに50 Hz磁界ばく露磁束密度0.2 mT;ばく露時間は1時間)とペンタゾール投与との組み合わせばく露を与え、薬剤誘発てんかん発作への影響を調べた。コラーゲン合成てんかん、電解質、脂質過酸化MDA)、一酸化窒素(NOx)、呼吸バーストシステム(MPO)、抗酸化防御系(GSH)、免疫系(NK細胞活動)を評価した結果、EMF MFがさまざまな組織に影響を与えることが示された、と報告している。

研究目的(著者による)

モルモットにおける皮膚免疫系、電解質濃度、ならびにマウスにおける薬剤誘発てんかん発作に対する超低周波電磁界の影響を調べること。

詳細情報

本研究では、異なる実験セットアップについての著者らの先行研究(publication 7584 及び publication 13912)ならびに未発表のデータを要約し、その結果を他の研究と比較した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: 4 h/day or 8 h/day for 5 days
guinea pigs
ばく露2: 50 Hz
ばく露時間: 1 h
mice

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 4 h/day or 8 h/day for 5 days
Additional information guinea pigs
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 2 parallel circular coils 21.375 cm apart with a common axis ; each coil with a diameter of 42.75 cm and 154 turns of insulated copper wire; animals in the center of the exposure system
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1 mT minimum - - -
磁束密度 2 mT - - - -
磁束密度 3 mT maximum - - -

ばく露2

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 1 h
Additional information mice
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 0.2 mT - - - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

磁束密度2mTの超低周波電磁界ばく露は、対照群と比較して、皮膚ヒドロキシプロリン量を統計的に有意に上昇させた。
電磁界ばく露群と対照群では、Ca2+血漿濃度に統計的有意差が認められた。
杯及び腎臓では、1mT及び2mTへのばく露は4時間/日ではマロンジアルデヒド濃度を上昇させたが、8時間/日では低下させた。脳では、2mTでの8時間/日のばく露マロンジアルデヒド濃度の有意な上昇が認められた。
電磁界は肺組織での一酸化窒素レベルの有意な上昇を生じた。
全ての磁界ばく露及びばく露期間で腎臓マロンジアルデヒド活性に上昇が認められた。

薬剤誘導てんかん発作に対する電磁界有意な影響は認められなかった。
これらの結果は、超低周波電磁界は調査した組織に影響を生じることを示している。

研究の種別:

研究助成