この研究は、32匹の雌および雄の成獣Wistar-Albinoラットを用いて、超低周波磁界(ELF-MF; 50Hz、1mT、4時間/日)の長期(45日)ばく露がラットの肝臓組織のストレスあるいはニトロソ化ストレスに及ぼす影響を調べた。ラットを無作為に4群に分けた。すなわち、雌の対照群(FC; n = 8)、雌のMFばく露群(F-MF; n = 8)、雄の対照群(MC; n = 8)、雄のMFばく露群(M-MF; n = 8)である。実験後に摘出された肝臓組織のマロンジアルデヒド(MDA)および3-ニトロチロシン(3-NT)を、MDAレベルはMDA-TBA法で、3-NTレベルはHPLC-UVシステムで測定した。その結果、対照群(FCおよびMC)とMFばく露群(F-MFおよびM-MF)の間にMDAレベルの有意差はなかった;F-MFラットにおいて、FCラットに比べ、3-NTレベルは有意に上昇した;MCとM-MFラットの3-NTレベルの間に有意差はなかった、と報告している。
合計で32匹(雄16匹、体重181±10g、及び雌16匹、体重178±15g)の8週齢のラットを用いた。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
50 Hz
ばく露時間:
continuous for 4 h/day on 45 days
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rats were divided into four groups: i) female exposed ii) female sham exposed iii) male exposed iv) male sham exposed
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | continuous for 4 h/day on 45 days |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | pair of circular Helmholtz coils with a diameter of 42.75 cm, 21.375 cm apart, with 160 turns of 2.2 mm insulated copper wire, placed in a 70 cm x 65 cm x 65 cm Faraday cage; rats placed between the coils in a 26 cm x 17 cm x 13 cm polycarbonate cage mounted on electrically grounded metal nets |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 1 mT | - | 測定値 | - | +/- 0.05 mT |
マロンジアルデヒドのレベルに関しては、対照群と磁界ばく露群との有意差はなかった。但し、ばく露群の雌ラットはニトロチロシンのレベルの有意な増加を示した。この影響はばく露群の雄ラットには見られなかった。
これらの結果は、長期的な超低周波磁界ばく露は雌ラットの肝組織における酸化/ニトロソ化ストレスを強めるかも知れず、ニトロチロシン形成を強めることで、脂質ではなく細胞タンパク質に悪影響を及ぼし得ることを示唆している。
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