研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[ラットの肝臓における酸化/ニトロソ化ストレスに対する超低周波磁界の長期ばく露の影響] med./bio.

Effects of Long-term Exposure of Extremely Low Frequency Magnetic Field on Oxidative/Nitrosative Stress in Rat Liver

掲載誌: J Radiat Res 2008; 49 (2): 181-187

この研究は、32匹の雌および雄の成獣Wistar-Albinoラットを用いて、超低周波磁界(ELF-MF; 50Hz、1mT、4時間/日)の長期(45日)ばく露ラット肝臓組織ストレスあるいはニトロソ化ストレスに及ぼす影響を調べた。ラットを無作為に4群に分けた。すなわち、雌の対照群(FC; n = 8)、雌のMFばく露群(F-MF; n = 8)、雄の対照群(MC; n = 8)、雄のMFばく露群(M-MF; n = 8)である。実験後に摘出された肝臓組織マロンジアルデヒドMDA)および3-ニトロチロシン(3-NT)を、MDAレベルはMDA-TBA法で、3-NTレベルはHPLC-UVシステムで測定した。その結果、対照群(FCおよびMC)とMFばく露群(F-MFおよびM-MF)の間にMDAレベルの有意差はなかった;F-MFラットにおいて、FCラットに比べ、3-NTレベルは有意に上昇した;MCとM-MFラットの3-NTレベルの間に有意差はなかった、と報告している。

研究目的(著者による)

本研究は、ラットの肝組織における酸化ストレス及びニトロソ化ストレスに対する、50Hz、1mT磁界の長期的な影響を調査するために実施した。

詳細情報

合計で32匹(雄16匹、体重181±10g、及び雌16匹、体重178±15g)の8週齢のラットを用いた。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 4 h/day on 45 days

General information

rats were divided into four groups: i) female exposed ii) female sham exposed iii) male exposed iv) male sham exposed

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 continuous for 4 h/day on 45 days
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 pair of circular Helmholtz coils with a diameter of 42.75 cm, 21.375 cm apart, with 160 turns of 2.2 mm insulated copper wire, placed in a 70 cm x 65 cm x 65 cm Faraday cage; rats placed between the coils in a 26 cm x 17 cm x 13 cm polycarbonate cage mounted on electrically grounded metal nets
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1 mT - 測定値 - +/- 0.05 mT

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

マロンジアルデヒドのレベルに関しては、対照群磁界ばく露群との有意差はなかった。但し、ばく露群の雌ラットニトロチロシンのレベルの有意な増加を示した。この影響はばく露群の雄ラットには見られなかった。
これらの結果は、長期的な超低周波磁界ばく露は雌ラットの肝組織における酸化ニトロソ化ストレスを強めるかも知れず、ニトロチロシン形成を強めることで、脂質ではなく細胞タンパク質に悪影響を及ぼし得ることを示唆している。

研究の種別:

研究助成

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