この研究は、モルモットに電力周波電界ばく露(50 Hz、12 kV / m、8時間/日、7日間)を与えた結果として生じるタンパク質の酸化、およびその影響に対するN-アセチル-L-システイン(NAC)投与の効果を調べた。雄のモルモット40匹を無作為に各10匹からなる4群に分けた:1) 対照群(生理食塩水を注射)、2) 電界ばく露群(+毎日のばく露の30分前に生理食塩水を注射)、3) NAC投与+擬似ばく露群、4) NAC投与(ばく露の30分前)+電界ばく露群である。影響評価項目は、肝臓でのタンパク質カルボニル含有量(PCC)およびタンパク質過酸化物(AOPP)レベル、および血漿中の3-ニトロチロシン(3-NT)レベルである。また、タンパク質合成を調べるために、肝臓のヒドロキシプロリンレベルも分析した。その結果、対照群と比較して、ばく露群でのPCC、AOPP、および3-NTレベルに統計学的に有意な変化は生じなかった;ただし、肝臓のヒドロキシプロリンレベルは、対照群に比べ、ばく露群では有意に低下した;また、NAC投与群では、PCC、ヒドロキシプロリン、および3-NTレベルが有意に変化した、と報告している。
電界の適用と同時に、N-アセチル-システインを投与し、これが酸化損傷を低減する抗酸化物質として、または組織培地中のプロオキシダントとして作用するかどうかも調査した。
雄のモルモット合計40匹を無作為に各10匹の4群に分けた:1) 対照群(生理食塩水を注射)、2) 電界ばく露群(+毎日のばく露の30分前に生理食塩水を注射)、3) N-アセチル-システイン投与+偽ばく露群、4) N-アセチル-システイン投与(ばく露の30分前)+電界ばく露群。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
50 Hz
ばく露時間:
continuous for 8 hr/day on 7 days
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animals were treated in four groups: i) control group - sham exposure ii) E-field exposure iii) daily injection of 300 mg/kg NAC + sham exposure iv) daily injection of 300 mg/kg NAC + E-field exposure
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | continuous for 8 hr/day on 7 days |
ばく露の発生源/構造 |
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ばく露装置の詳細 | 80 cm x 80 cm x 18 cm wooden cages with the copper plates mounted on the top and bottom of the cage |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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電界強度 | 12 kV/m | - | 測定値および計算値 | - | - |
電界ばく露群のモルモットのタンパク質のカルボニル含量、タンパク質過酸化物、3-ニトロチロシンのレベルには、対照群と比較して統計的に有意な変化は生じなかった。但し、電界ばく露群の肝臓のヒドロキシプロリンのレベルは対照群よりも有意に低下した。
タンパク質のカルボニル含量及びタンパク質過酸化物のレベルには統計的な変化は見られなかったが、これらの結果は、電界ばく露が安定した酸化タンパク質の早期の形成に影響したかも知れず、これが酸化タンパク質の反応の方向を変化させた、あるいは、タンパク質合成における構造的損傷につながった、という事実によって生じたかも知れない。
N-アセチル-システイン投与群(グループ3及び4)では、タンパク質のカルボニル含量、タンパク質過酸化物、3-ニトロチロシンのレベルが変化した。
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