研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[ラットの心筋に対する電磁界ばく露の影響] med./bio.

The effects of exposure to electromagnetic field on rat myocardium

掲載誌: Toxicol Ind Health 2013; 29 (5): 418-425

この研究は、ラットを用いた実験で、50 Hz、3 mTの磁界への長期間ばく露(4時間/日、7日/週、2ヶ月間)が心臓組織に与える影響を生化学的および組織病理学的に評価した。28匹のオスのウィスターラットを、ばく露群(n = 14)および擬似ばく露群(n = 14)に分け、ばく露または擬似ばく露処置を実施した。2か月のばく露後、全ラットを屠殺し、心臓を摘出して、各種の評価を行った。酸化ストレスパラメータは分光光度法で測定した。アポトーシス細胞の検出にはTUNEL染色とカスパーゼ-3免疫組織化学法を用いた。その結果、ばく露群では、擬似ばく露群に比べ、脂質過酸化のレベルは有意に上昇し、スーパーオキシドジスムターゼおよびグルタチオンペルオキシダーゼの活性は低下した;擬似ばく露群に比べ、ばく露群では、TUNEL陽性細胞数およびカスパーゼ-3免疫反応性が増加した;ばく露群では、電子顕微鏡にて、ミトコンドリア変性筋原線維の減少、筋小胞体の拡張、核周囲の空胞化が観察された、と報告している。

研究目的(著者による)

成獣ラット心臓組織に対する電磁界の影響を、生化学的及び組織形態学的評価によって調べること。

詳細情報

ラット28匹をばく露群(n=14)及び偽ばく露群(n=14)に分けた。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: continuous 4 h/day, 7 days/week for 2 months

General information

28 rats divided into exposed (n=14) and sham exposed (n=14) group

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 continuous 4 h/day, 7 days/week for 2 months
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
チャンバの詳細 rats were placed in polycarbonate cages between the two coils
ばく露装置の詳細 a pair of Helmholtz coils (diameter of 95 cm), each with 320 turns of 2.5 mm copper wire mounted on a wooden frame; distance between the coils was 33 cm
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 3 mT - 測定値 - -

Reference articles

  • Tayefi H et al. (2010): [幼若ラット心筋に対する出生前および新生児期の電磁界ばく露の影響]

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

ばく露群では偽ばく露群と比較して、脂質過酸化のレベルが有意に上昇し、スーパーオキシドジスムターゼ及びグルタチオンペルオキシダーゼ酵素活性が低下した。

ばく露ラットでは偽ばく露ラットと比較して、TUNEL陽性細胞の数、及びカスパーゼ-3の免疫反応性が増加した。

電子顕微鏡では、ミトコンドリア変性筋原線維の減少、筋小胞体の拡張、核周囲の空胞形成ばく露ラットに見られた。

結論として、このデータは、磁界ばく露が成獣ラット心筋酸化ストレスアポトーシス及び形態学損傷を生じることを示した。磁界関連の変化は酸化ストレスの増加の結果かも知れない。

研究の種別:

研究助成

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