この研究は、ラットを用いた実験で、50 Hz、3 mTの磁界への長期間ばく露(4時間/日、7日/週、2ヶ月間)が心臓組織に与える影響を生化学的および組織病理学的に評価した。28匹のオスのウィスターラットを、ばく露群(n = 14)および擬似ばく露群(n = 14)に分け、ばく露または擬似ばく露処置を実施した。2か月のばく露後、全ラットを屠殺し、心臓を摘出して、各種の評価を行った。酸化ストレスパラメータは分光光度法で測定した。アポトーシス細胞の検出にはTUNEL染色とカスパーゼ-3免疫組織化学法を用いた。その結果、ばく露群では、擬似ばく露群に比べ、脂質過酸化のレベルは有意に上昇し、スーパーオキシドジスムターゼおよびグルタチオンペルオキシダーゼの活性は低下した;擬似ばく露群に比べ、ばく露群では、TUNEL陽性細胞数およびカスパーゼ-3免疫反応性が増加した;ばく露群では、電子顕微鏡にて、ミトコンドリアの変性、筋原線維の減少、筋小胞体の拡張、核周囲の空胞化が観察された、と報告している。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
50 Hz
ばく露時間:
continuous 4 h/day, 7 days/week for 2 months
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28 rats divided into exposed (n=14) and sham exposed (n=14) group
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | continuous 4 h/day, 7 days/week for 2 months |
ばく露の発生源/構造 | |
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チャンバの詳細 | rats were placed in polycarbonate cages between the two coils |
ばく露装置の詳細 | a pair of Helmholtz coils (diameter of 95 cm), each with 320 turns of 2.5 mm copper wire mounted on a wooden frame; distance between the coils was 33 cm |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 3 mT | - | 測定値 | - | - |
ばく露群では偽ばく露群と比較して、脂質過酸化のレベルが有意に上昇し、スーパーオキシドジスムターゼ及びグルタチオンペルオキシダーゼの酵素活性が低下した。
ばく露ラットでは偽ばく露ラットと比較して、TUNEL陽性細胞の数、及びカスパーゼ-3の免疫反応性が増加した。
電子顕微鏡では、ミトコンドリアの変性、筋原線維の減少、筋小胞体の拡張、核周囲の空胞形成がばく露ラットに見られた。
結論として、このデータは、磁界ばく露が成獣ラットの心筋に酸化ストレス、アポトーシス及び形態学的損傷を生じることを示した。磁界関連の変化は酸化ストレスの増加の結果かも知れない。
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