研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[モルモットの血清に対する電界の影響:フリーラジカルの役割] med./bio.

Electric field effects on Guinea pig serum: the role of free radicals

掲載誌: Electromagn Biol Med 2007; 26 (3): 207-223

この研究は、モルモットでのフリーラジカル生成に対するELF(超低周波電界ばく露の潜在的影響力を調べた。この目的のために、脂質過酸化の副産物の1つであるチオバルビツール酸反応物質(TBARS)レベル、抗酸化酵素であるスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)の活性変化、およびグルタチオン代謝の重要な酵素であるガンマグルタミルトランスフェラーゼ(γ-GT)を測定した。さらに、臓器の機能に対する電界の影響を調査するために、血清中のアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)活性、アルカリホスファターゼ(ALP)活性、乳酸脱水素酵素LDH)活性、総コレステロール(TC)、LDLコレステロール、HDLコレステロール、VLDLコレステロールトリグリセリド(TG)、尿素、尿酸、クレアチングルコース、および血中尿素窒素(BUN)を測定した。ELF電界は、強度(1.35、1.5、および1.8 kV/ m)および電界の方向(垂直および水平)を変えて実験した。その結果、実験したばく露条件において、対照群に比べ、ばく露群ではTBARSおよびSODレベルが増加することが示された;一方、調査された他の生化学的パラメータの血清レベルは、統計的に有意な変化を受けなかった、と報告している。

研究目的(著者による)

モルモットにおけるフリーラジカル産出に対する超低周波電界ばく露の影響を調べること。

詳細情報

合計280匹のモルモットを14群に分け(各20匹)、各群を強度と方向が様々な電界の組合せにばく露した。20匹のモルモットを偽ばく露対照に用いた。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 8 h per day over 3 days (in horizontal or vertical field, respectively)
  • 電界強度: 1.8 kV/m maximum (field strengths 0.3; 0.6; 0.8; 1; 1.35; 1.5 and 1.8 kV/m)

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • electric field
ばく露時間 continuous for 8 h per day over 3 days (in horizontal or vertical field, respectively)
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • 0.2 cm thick copper plates
ばく露装置の詳細 wooden cages with dimensions of 80 cm x 80 cm x 18 cm; copper plates mounted on top and bottom face of cage for vertical field, on left and right for horizontal field
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
電界強度 1.8 kV/m maximum 測定値および計算値 - field strengths 0.3; 0.6; 0.8; 1; 1.35; 1.5 and 1.8 kV/m

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

1.35、1.5及び1.8kV/mの範囲の超低周波電界を垂直及び水平に印加したところ、TBARSレベル及びスーパーオキシドジスムターゼ酵素活性が、対照群、ならびに0.3、0.6、0.8及び1kV/m印加群よりも上昇した。その他の生化学パラメータの血清レベルは統計的に有意ではなかった。

研究の種別:

研究助成

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