この研究は、骨格筋表現型の細胞モデルとしてC2C12細胞を用いて、筋細胞の分化と機能に対する超低周波電磁界(ELF-EMF)の短期ばく露の影響を、単一細胞アプローチにて調べた。影響は、酸化ストレスとカルシウム(Ca2+)動態のマーカに着目して評価した。その結果、ELF-EMFは、筋芽細胞および筋管において活性酸素種産生を誘発し、同時にミトコンドリア膜電位を低下させることが示された;またELF-EMFは、細胞の解毒システムを活性化し、カタラーゼとグルタチオンペルオキシダーゼの活性を高めることが示された;細胞内Ca2+ホメオスタシスを変化させ、筋管の自発的活動を増加させ、細胞内貯蔵Ca2+チャネルの脱分極剤(KCl)またはアゴニスト(カフェイン)に対する細胞の反応性を高めることが示された、と報告している。
細胞内Ca2+の変動が、原形質膜の電位活性化カルシウムチャネルを通じた細胞外Ca2+流、あるいは、リアノジン感受性チャネルを通じた小胞体/筋小胞体、及び/またはミトコンドリアからの細胞内Ca2+放出
に依存するかどうかを判定するため、著者らは、塩化カリウム(脱分極剤)またはカフェイン(リアノジン感受性カルシウムチャネルの作動薬)の存在下で、C2C12細胞に対する超低周波電磁界の影響を評価した。
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | continuous for up to 30 min |
Additional information | single cell approach |
Additional information | horizontal polarization |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | Helmholtz coils with a radius of 445 mm and a distance of 400 mm mounted perpendicular to the ground, located in the working zone of a confocal microscope |
Additional information | this setup was used for the examination of: i) ROS level ii) membrane potential iii) Ca2+ signaling |
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | continuous for 5 min or 30 min |
Additional information | larger cell samples |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | 340 mm long horizontal cylindrical solenoid with a diameter of 113 mm |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
このデータは以下のことを明らかにした。超低周波電磁界は、1) 筋芽細胞及び筋管での活性酸素種産出を誘導し、同時にミトコンドリア膜電位を低下させる;2) 細胞の解毒系を活性化し、カタラーゼ及びグルタチオンペルオキシダーゼ酵素活性を高める;3) 細胞内Ca2+の恒常性を変化させ、筋管の自発的活動を高め、カルシウムチャネルの脱分極剤(塩化カリウム)または作動薬(カフェイン)に対する細胞の応答性を強める。
著者らは、このデータは、超低周波電磁界ばく露と細胞の酸化還元状態の改変(細胞内Ca2+のレベルを高め、C2C12細胞の代謝活性を変調させ得る)とのつながりがあるかも知れないということを支持するものである、と結論付けている。
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